8割近くの企業がソーシャルメディアを利用中か利用を検討中。企業がfacebookなどを活用するコツは?

2014/06/19

ハーバード・ビジネス・レビュー・アナリティックス・サービスのレポートによれば、現在58%の企業がソーシャルメディアを利用しており、利用する予定のある企業も含めると、その割合はなんと79%にのぼります。

ところが、このうち「自社は現在ソーシャルメディアを有効に活用している」と回答した企業はたったの12%でした。対して「自社は現在ソーシャルメディアを有効に活用できていない」と答えた企業は43%にものぼります。今回は、facebookなどのソーシャルメディアの企業活用について考えてみます。

Using Social Media for Business

「有効に活用」とは?

ソーシャルメディアの企業活用とは、具体的にどのようなことをさすのでしょうか。たとえば、ブランドの宣伝、消費者間のトレンドウォッチ、新製品のアイデアのリサーチなどがあげられます。

まず、ソーシャルメディア利用で得られた主要な利益は何か、という問いに対して、「自社は効率よくソーシャルメディアを利用している」と考えている企業がどう回答したかをみてみます。

50%の企業が、「自社製品・サービスや自社自身が、よりターゲット顧客に認知されるようになった」という点をあげており、さらに26%の企業が、「自社製品・サービスや自社自身に、より好意を持ってもらえるようになった」という点をあげています。

これらが、ソーシャルメディアの企業活用において主に期待できることではないでしょうか。

ソーシャルメディアでの成功のカギ

ボディショップなどをクライアントにもつコンサルティ ング会社ウィルソン&エリスのデブラ・エリス氏は、ソーシャルメディアでの成功の鍵は、「awesome(すごく素晴らしい)」であることだと言います。これについては誰も異論を挟むことはないでしょう。

問題は、自社が現時点で「awesome(すごく素晴らしい)」企業ではない場合。それでも「awesome(すごく素晴らしい)」が期待されるソーシャルメディアで成功できるのだろうか? ソーシャルメディアの活用を試みる価値はあるのだろうか?という点です。

そのような疑問に対して、エリス氏は以下のようにアドバイスしています。

企業がソーシャルメディアを活用すべき理由

ソーシャルメディアは顧客と結びつく良い方法です。特に、顧客に直接会って接客する機会がほとんどない、あるいは全くないようなeコマース企業にとって、ソーシャルメディアは貴重な手段となります。また、ソーシャルメディアの活用は、オーガニック検索の良好な結果表示に有効です。現在でも、良い検索結果を得ることが、ウェブサイトへのトラフィックを生み出す最良の方法の1つであることに変わりありません。

企業活用におけるコツ

さらに、エリス氏はソーシャルメディアの企業活用の具体的なコツを次のようにあげています。

現実的なゴールをもって始めよう

ソーシャルメディアは、誕生から数年が過ぎた今も、急速に進化しています。ソーシャルメディアを利用しても、一足飛びにスーパー企業になることはできませんが、顧客との関係を改善するのに役立ちます。どんな効果を狙うのか、現実的なゴールを設定しましょう。

計画をもとう

いまソーシャルメディアの活用を始めようとしているなら、先に計画を立てましょう。既に始めているなら、ソーシャルメディア活動を継続しつつ、計画を立てるとよいでしょう。 ソーシャルメディア活動によって何を達成しようとしていますか? 顧客との結びつきの強化、見込み客の発見、ウェブサイトのトラフィックの向上など、達成したいことはいろいろとあるでしょう。そのためには戦略的計画が必要です。

効果測定のベンチマーク(指標)をみつけよう

企業に利益をもたらさないのなら、ソーシャルメディアは必要ありません。ソーシャルメディア活用における成功は測定しにくいものですが、効果を知るためのベンチマークをみつけて、ビジネスへの貢献度を測る必要があります。

柔軟性をもって対応しよう

インタラクティブなコミュニティを構築するには、ある程度の時間がかかることを心に留めておきましょう。また、ソーシャルメディアは急速に変化しているので、今日有効であったことが、明日には無駄になるかもしれません。プラットフォームのルールはひんぱんに変わるので、それに適応していく柔軟性が必要です。

外野の雑音は気にせずに

世の中にはさまざまな「助言」なるものが見られるため、混乱することもあるでしょう。しかし、大事なのは「顧客がハッピーでないなら、やっていることを変えよう」というシンプルなルールです。

私的、個人的にならないように

ソーシャルメディアでの言動は、すべてあなたの企業の価値基準を反映するものととらえられます。したがって、例えば、政治的なコメントを残すようなことは避けたほうが無難です。

効果がない場合には思い切って撤退しよう

ソーシャルメディアは全ての企業に適しているわけではありませんが、全ての企業にとって試してみる価値があるものです。しかし、ソーシャルメディアの運用にも人手がかかりコストとなりますので、自社企業にとって有用ではないとしたら、思い切って撤退しましょう。

有効活用には、それなりの投資が必要であることも忘れずに

前出のハーバード・ビジネス・レビュー・アナリティックス・サービスの調査に参加した企業のうち、ソーシャルメディア活動に自社の人員を割いているのは12%であり、多くは外部に委託しています。また、ソーシャルメディア活動に専用の予算を組んでいる企業は20%にとどまっていますが、「ソーシャルメディアを有効活用している」と回答した企業の中では、その割合は44%にのぼります。

facebookやtwitterといったソーシャルメディアは、気軽で手軽であり、コストは全くかからないのではというイメージがありますが、有効に活用するためにはそれなりに投資する必要があるということも、忘れてはならない大切な点です。

関連記事

新着記事

カテゴリ