学校の主要科目の授業で「アクティブラーニング」を導入すると教育効果は高まるのか?

2015/02/04

かつて授業は教員がほぼ一方向で教鞭を振るい、学生(生徒)はそれをひたすら熱心に聴講するいわゆる「受動型」が主流でした。しかし、1日中教員の話を聞き続けることは苦痛ですし、また聞いているだけの授業での知識の定着率は一般的に低いと言われています。

そこで最近では、学校の授業や企業研修に、参加型学習「アクティブラーニング」を積極的に取り入れつつあります。特定のテーマを決めてグループ毎に授業中にディスカッションを行ったり、またチームでレポートをまとめたりと、授業毎に様々な創意工夫がされています。

education active learning

自分自身で発表したり、グループワークでなにかを創ったり、あるいは討論に参加すれば、記憶に残りやすく高い学習効果が期待できます。教育現場では実際にこのような取り組みが次々と実施されていますので、その効果を実感している教員の方も多いことでしょう。

一方で、履修内容が多い主要科目では、教師がカリキュラムをこなすのに精一杯となり、なかなかグループワークの時間などを確保するのが難しく、引き続き一方向の授業を継続しているケースも多いようです。実はこの主要科目こそ、学習定着率を上げることが重要であるのですが…。

そんな中、大教室での高難易度、高内容量の重要科目の授業を、学生個人のスマートフォン、タブレットを活用して参加型の授業とする試みが昨年4月から東京工業大学電気電子工学科で開始しました。

学生個人のタブレットやスマートフォンに宿題を出し、最初に正解した学生に次の授業で宿題の解説プレゼンテーションをしてもらうなど、これまでにない画期的な取り組みをされ、学生の理解度、満足度を大幅に向上することに成功されました。クラス全体の成績も向上できたとのこと、素晴らしい限りです。この新たな授業方式について担当教授がまとめた報告書「東京工業大学電気電子工学科での多人数教室でのアクティブラーニングの試み」では、主要科目でのアクティブラーニング化への試行プロセスや、その成果が詳細にレポートされています。

この方式であれば、学校側でのタブレット、スマートフォンの購入も不要ですし、また、まさに今、各学校が授業改善の中で優先課題として取り組もうとしている「タブレットの活用」「アクティブラーニング」「eラーニングの活用」をすべて実現しているという意味でもこれからの授業への大きなヒントとなる取り組みと言えます。「アクティブラーニング」への取り組みを検討されている先生方には、ぜひ読んでいただきたい有用なドキュメントです。

タブレットやスマートフォンが「アクティブラーニング」推進に活用できることは、日本の授業を変え、日本の未来を創る人財育成にも大きく貢献していくと言っても過言ではないでしょう。タブレットやスマートフォンにこのような活用方法もあったのかとわくわくするドキュメントでした。

効果的なタブレット活用方法をご紹介

「通常授業でアクティブラーニングを実現!」についての説明はこちら

アクティブラーニングでのタブレット活用 成功事例

東工大学の教授が語る「東京工業大学電気電子工学科での多人数教室でのアクティブラーニングの試み」

東工大学の教授が語る「東京工業大学電気電子工学科での多人数教室でのアクティブラーニングの試み」

東京工業大学 電気電子工学科千葉明教授が、2014年4月より「Handbook」を利用して大教室でのアクティブラーニングを試行、そのプロセス及び成果をまとめたレポートです。

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