ビジネスタブレットの今後の可能性
スマートフォンに続き、タブレットがビジネスの場で急速に普及しています。Microsoftの最新OS「Windows8」の登場で、企業向けタブレット市場はさらに活気つきました。それを後押しするかのように、タブレット用に設計されたCPU「インテル® AtomTM プロセッサー(Clover Trail)」搭載の「HP ElitePad 900」が発売されました。
今後、タブレットのビジネスの場で更なる活躍が期待されます。
シュミットも驚いたタブレットの法人利用拡大
「これはタブレット革命だ。エンタープライズ・コンピューティングの多くは、モバイル上で行われている、とくにタブレット上で。これは旧来のモデルを破壊する」
フロリダで開催されたIT EXPO2013でGoogle会長エリック・シュミット氏は、そう語りました。
この言葉が象徴するように、企業におけるコンピュータ利用については、モバイル端末で業務を行うケースが増えています。とくにタブレットが利用されるケースが多く、従来のスタイルから大きく変化を遂げました。PCからタブレットへの移行は、今までの業務の流れからの脱却を促進し、さまざまなデバイスとの連携を含めさらなる発展が期待できます。
調査会社IDCのリサーチによると、2013年のタブレットの出荷台数は227百万台で、前年比57.7%の増加が予測されます。2017年にはタブレット出荷台数のうち法人利用が約20%を占め、2017年にはタブレットの5台に1台が法人利用になると言われています。
タブレットのBYODは普及するか?
GigaOMの2013年ITバイヤー調査によると、企業におけるBYOD(Bring Your Own Device)タブレットのサポート体制が整うには、まだ時間がかかると見られています。「ITリーダー」によると、企業によるタブレットのサポートは、会社からの補助金などの面で、携帯電話やノートPCのサポートよりも低いランクに位置づけられているとのこと。
タブレットの主たる利用方法は、電子メール、テレビ会議、ファイル共有などです。これは企業の中において、タブレットアプリを職場の生産性の向上に利用できるという知識が相対的に企業の中で不足していることを示唆しています。
一方で、金融サービス部門では50%近くがBYODタブレットを採用しています。この部門では、フェイス・トゥ・フェイスによるクライアントへの視覚重視のプレゼンテーションなど、タブレットをより活用する場があることが理由として考えられます。こういった顧客重視の部門においては、より多くのタブレットを採用することが、ビジネスチャンスの拡大につながります。
社会全体のグローバル化の急速に進む中で、労働時間、就業場所、雇用形態などにとらわれなずに、柔軟に対応する方法のひとつとしてBYODは有効な方法といえます。デバイスの自由な選択なども含め、あらゆる面でフレキシビリティの高いBYODは、クラウドシステムとの親和性も高く、今後のビジネスタブレットの拡大における重要なキーワードです。ただし、自由度が高い反面、セキュリティ事故につながる可能性も高く、セキュリティ面の強化が大きな課題といえます。
まとめ
急激な市場拡大を遂げるタブレットですが、法人での利用範囲はまだ限定的といえます。、しかし、タブレットには、スマートフォンに比べ、画面サイズなどが大きいといった有利性や、PCでは実現できない操作性などの利点があります。その利点を活かさない手はありません。
企業はタブレットを活かせるようなビジネススタイルを取り入れ、ソフトウェア会社がモバイルコンテンツ管理(MCM)のような、企業のニーズが実現できるようなITソリューションを提供していけば、今後のタブレット市場の拡大につながっていくでしょう。
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