デジタルマーケター必読!ソーシャルメディアを賢く利用し、自社のファンコミュニティをつくる3つの方法

2014/03/31

今日のデジタルマーケターが大いに注目しているのはファンコミュニティの存在です。ソーシャルメディアの申し子ともいえるファンコミュニティは、時として驚くべき集客力を見せつけます。わが社にも是非そのようなファンコミュニティが欲しい、しかし、それは簡単につくりだせるものだろうか?そのような疑問をもつマーケターも多いことでしょう。

実際、世の中の流れが予測しづらい現在、ファンコミュニティをマーケティング戦略の手段として扱うのはなかなか容易なことではないようです。

そこで、今年1月にトロントで開催されたメディアおよびテクノロジーのトレンドに関するカンファレンス(オンタリオ・メディアディベロップメント・コーポレーション主催)におけるパネリストの発言に注目してみました。彼らの経験に基づく3つの貴重な助言を紹介します。

3 tips on community-building in digital marketing

photo credit: MrTopf via photopin cc

1. オーディエンスのセグメントを分け、各セグメントの欲求を満たすようなコンテンツを提供する

*「セグメント」とは、市場の中で同じようなニーズを持ち、似たような購買行動をとる顧客群のこと

児童文学出版社であるキッズ・キャン・プレス社のナジーム・フラブ氏は、ファンを養成するためには、まず、プライマリーオーディエンス(最初にターゲットとするホームページへの訪問者)について把握することから始めるべき、と述べています。

同社のプライマリーオーディエンスは、子供たちとその親たちでした。ホームページへの訪問は、お気に入りの本のキャラクターが目当てであり、キャラクターとの交流を求めて行われるものでした。熱心なファンは、単にサイト上の情報を読むだけではなく、キャラクターの絵を描くなど、積極的な関わり(エンゲージメント)を見せました。そうした子供たちと親たちが図書館に同社の本をリクエストすることにより、セールスに直結します、とフラブ氏は述べています。

顧客の求めるものを的確に提供することにより、顧客エンゲージメントを高め、自社の熱心なファンを養成しましょう。

2. Facebookは便利だが、ひとつのソーシャルメディア頼みは危険

カナダのインディペンデント・レコード・レーベル「アーツ・アンド・クラフツ・プロダクション」の共同創始者であるジェフリー・レメディオス氏にとっても、所属ミュージシャンと彼らの音楽にファンコミュニティをつくりだすことは最優先事項であるとのこと。

その際に、ソーシャルメディアプラットフォームの有用性を認めるとともに、ひとつのソーシャルメディアだけに頼ることの問題点についても触れています。「Facebookに頼ったコミュニティの構築は、借地に自分の家を建てるようなものである」と、レメディオス氏は説明し、「Facebookをうまく利用しつつも、独自のファンコミュニティを作り出すようにしている」と述べています。

Facebookに限らず、その他のソーシャルメディアプラットフォームについても、同じことが言えます。ひとつのプラットフォームの力だけに頼るのは得策ではありません。

たとえば、YouTubeで多くのファンを獲得しても、それだけに頼らないという姿勢を見せるミュージシャンもいます。ソーシャルメディアプラットフォームには、自分のコントロールの利かない面があるのも、その一因です。YouTubeでは、プラットフォームのデザイン変更などが行われることがありますが、そのような変化に振り回されるのを好まないアーチストも存在するのです。予期せぬ変更があると、自分のイメージをコントロールしにくくなるのでしょう。

3. リアル世界での話題づくりを忘れない

さらにCBC(カナディアン・ブロードキャスティング・コーポレーション)のテッサ・スプルール氏は、リアルの場での話題性の重要性を次のように説明しています。

「ソーシャルメディアで、自社のコンテンツがチャットの対象になっているかどうか知るのは良い手段です。しかし、もし誰も“お茶の間”でそのことを話題にしないとしたら、オンラインでのチャットにたいした意味はないでしょう」

“お茶の間”は、ハッシュ・タグやトレンド・トピックなどのメトリクス(測定基準)で測ったりできない場所、「ダーク・ソーシャル」のひとつであり、リアル世界を象徴しています。ランチ時のたわいない会話や、井戸端会議などもこれにあてはまるでしょう。

「ソーシャルメディア・ツール、ソーシャルプラットフォームは、リアル世界でどのようなことが起きているかということを知る良いインディケーター(指標)ではあります。私もFacebookやTwitterをチェックしますが、私にとってこれらは温度計のようなものです。つまり、外が暑いと教えてくれるものではありますが、決して、外を暑くするものではないということです」と、スプルール氏は締めくくっています。

まとめ

ソーシャルメディアの進化により、場所や時間に制約を受けることなく人と人が結びつき、さまざまなコミュニティが容易に生まれます。今や、企業や商品のファンコミュニティも珍しくありません。しかし、どれほどITが進化しようとも、セールスは現実の世界がもたらしてくれることを、デジタルマーケターは常に頭の隅に置いておく必要があるようです。

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