タブレット市場、気になるAndroidの動向
最近、ビジネス現場でもタブレット利用が目立ってきましたが、世界での出荷台数はおよそどのくらいなのでしょうか?また、市場のシェアの動向は? 気になるところです。
Strategy Analytics社が7月に発表した2013年第2四半期の世界のタブレット出荷台数レポートによれば、総出荷台数は約5170万台。前年同期の3610万台からの伸びを示しています。市場のシェアで注目すべきは、Androidの動向。今回の出荷台数のシェアの67%を占めています。一方、iOS は28.3%へと下落。今後、iOSの巻き返しはあるのでしょうか?
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Androidが大躍進、その要因とは?
今回のレポートによると、Androidのシェアは前年同期の51.4%から67.0%へと大きく伸びています。その一方でiOS は、前年同期の47.2%から28.3%へと大きく下落。Windowsは前年同期の0.5%から4.5%へと上昇。
Windowsに関しては、ニッチ市場を捉えた結果の伸びになっているようです。今年度第3四半期にはWindows RTの出荷が増えることが予想されるとのこと。
注目度が高いのは、AndroidとiOSの対決。Windowsを除くとほぼ一騎打ちとなっていますが、今回大きく水をあけたのはAndroidのほうでした。その勝因とは一体何だったのでしょうか?
その一因として、Androidのエコシステム戦略が挙げられます。同社は、Samsung、 Amazon、Googleなどのパートナーを得ることにより、安定的な発展を遂げるようになってきました。例えばAmazonの「Kindle Fire」シリーズやGoogleの「Nexus 7」シリーズなども、同社の伸びに貢献していると見られます。
プラットフォームのビジネスでは、多くの企業を巻き込むことが重要と言われていますが、Androidも例外ではありません。ビジネスにおける特定の業界全体の収益構造を意味する「エコシステム」の構築に成功したことが、今回の数字にも結びついていると言えるでしょう。
iOSの巻き返しはあるのか?
では、今回Androidに大きく差をつけられてしまったiOSの巻き返しはあるのでしょうか?
例えば、Strategy Analyticsのタブレット担当ディレクターPeter King氏が、Appleの第2四半期の結果について述べた見解によると、今回の出荷台数減少には原因があるようです。
iOSの出荷台数については、今年度第2四半期にはiPadの台数が1460万台となり、前年同期比14%の減少を記録。前年同期には、「Retina」ディスプレイを搭載した初のiPadが登場しましたが、今年度の第2四半期は新しいモデルがなかったため、出荷台数の減少という結果になったと見られています。
ただし、2012年にはまだ発売されていなかった「iPad mini」を加えれば、今回の出荷台数は1460万台よりも高い数字になると見られていました。
今後、iOSの巻き返しがあるかどうかは、iPad miniや今後現れるであろう新しいモデル、あるいはApple iOSのエコシステムにかかっているのではないでしょうか。
ますます競争が激化するタブレット市場、今後の動向も要注目です。
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