Apple、Microsoft、そしてAdobeが取り組みを強化するクリエイティブツールとしてのモバイルの未来(3)

2015/09/29

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ウェブサイトだけどウェブサイトではない!? MicrosoftとAdobeが出したコンテンツ制作ツール

このような状況下で実はMicrosoftとAdobeが似たようなビジュアルコンテンツの制作ツールをリリースしています。それぞれ、「Microsoft Office Sway」「Adobe Slate」という名称のアプリで、動画や写真をテンプレートに張り付けていくだけで誰でも簡単にビジュアルコンテンツが作成できるようになっています。そして、作成したコンテンツはそのままクラウド上にアップされるので、URLを共有することで簡単にシェアすることができるようになっています。

これらのツールはデジタルデバイスでの閲覧を前提としており、紙への出力は想定されていません。簡易的なウェブサイトと捉えることもできますが、ウェブのように「世界に広く公開する」という前提には立っておらず、ウェブはシェアするためのテクノロジーとして利用しているに過ぎません。

これこそ、先に挙げたとおりモバイル時代のビジネスシーンに合わせたツールだといえます。昨今、ウェブサイトはユーザの利用シーンに応じたコンテンツの内容やボリュームを最適化するなどといったアプローチが進みつつありますが、ビジネスシーンにおいてもそういった傾向が進んでいくことがこういったツールの登場からも予見できます。今後、こうしたアプリがどういった進化を辿っていくのかは注目に値するのではないでしょうか。

まとめ

今回、MicrosoftとAppleという巨人は取り上げたものの、Googleは本文中に登場していないのに違和感を覚えた方も少なくないのではないでしょうか。

Googleは「利用者のデータを取得、抽出し、アルゴリズムで加工したうえで最適な情報を提示する」ということが強みと言えます。2015年5月に開催された「Google I/O」で発表された「Google Photos」は大きな話題を呼びましたが、その背景にあるのは写真に関するアルゴリズムの確立とそれによるユーザへの最適な情報の提示のためのプロセスと考えられています。このように、Googleはユーザの情報制作を支援する立場ではなく、クリエイティブツールに積極的に取り組む理由がないと思われます。

オフィスツールでは「Google Apps For Work」などもありますが、系譜はあくまでGoogle Driveであり、その延長線上で考えるほうが自然です。

しかしながら、あくまで現時点での想定であり、今後の環境変化などにより立場にも大きな変化が出てくる可能性があり、それはMicrosoftやAppleも同様と言えます。

こうした巨人すらにも影響を与える変動因子、それはそうしたアプリやデバイスを利用するユーザそのものです。これまでデジタルツールの普及はすなわち、ユーザの「慣れ」との戦いでもありました。そして、今後もその戦いは続きます。果たしてユーザの「慣れ」という支持を獲得するのはどこになるのか、今後もこれら巨人の動きからは目が離すことができません。

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