タブレットが引き起こすビジネス革新を垣間見る一日
~Handbook World 2015 イベントレポート~
去る2015年10月7日、大手町サンケイプラザホールにて開催された「Handbook World 2015」。会場には午後14時30分からの開催を前に多くの来場者が受付に列をなしました。 今回の記事ではそのイベントの様子、概要をレポートしていきます。
ウェアラブルコンピューティングは社会をもっとよくできる
「ウェアラブルの伝道師」が語った本質と未来の展望
イベントはインフォテリアHandbook事業本部長の山崎将良氏による来場者へ向けたオープニングメッセージからスタート。10分程度でHandbookの現状と今後の販売展望などを紹介し次のプログラムである基調講演へ。今回のHandbook World 2015の基調講演には「ウェアラブルの伝道師」として14年近くウェアラブル・コンピューティングを研究している神戸大学教授塚本昌彦氏による「ウェアラブルの本質と未来」と題した講演。
ウェアラブル・コンピューティングに関する概要から入り、メガネ型、ウォッチ型などのデバイス形態ごとの現状や問題点、そして将来の可能性などの説明、そして今後のウェアラブルデバイスがどのようになっていくのか、という点を過去の自身の「予言」と擦り合わせつつ展望を示しました。
来場者に強く共感を受けていたのは、「ウェアラブルは実生活の中で使われるべきもの」であり、ウェアラブルの利用によりネット依存のユーザをリアルに引き戻すなど、社会をよくすることにも利用していける、という強いメッセージ。
近年、バズワードとしても使われることが多い「ウェアラブル」という言葉への誤った理解が増えており、たとえば「Oculus Rift」などのバーチャルリアリティ(VR)を絡めた「没入型」デバイスはネット上で完結するが、ウェアラブルは実世界と関与しながら利用する点で両者は大きく異なる、という点を強調していました。
また、講演の締めくくりとしてウェアラブル市場がまもなく立ちあがる中、決して1社単独でやるようなことはせず、近隣のコミュニティなどに所属してエコシステムを形成していくことが発展のために重要であると述べ講演を終了しました。
モバイルデバイス活用の未来に挑む新しいHandbook
基調講演に続いてはインフォテリア株式会社マーケティング本部プロダクトマーケティング部長中嶋誠氏による「Handbook Next Stage」。
モバイルコンテンツ管理ソリューションはモバイルデバイスの進化に合わせ、その活用方法に関し世代交代を繰り返してきており、現在は第五世代であるとのこと。そして今後もその世代交代は続いていくことが予測され、以下の様な点がポイントとなってくる、と強調しました。
- ・組織を超えた情報配信インフラ
- ・アクティブなコンテンツライフサイクルの実現
- ・いまこそスマホの活用
- ・コンテンツを繋ぐことの価値
- ・さらなる大規模利用
そして今秋アップデートしたHandbookではこれらのポイントを踏まえた改修を実施しており、それぞれどのようにHandbookが対応をしたのか、という点をスライドおよびデモを交えながら説明していました。
セールスビッグデータの計測・利用こそタブレット活用の目的
続いてもインフォテリアHandbook事業本部営業部長の黒柳氏による「Handbookが切り拓く、ビジネスタブレット新時代」と題する講演。「タブレットは大きな期待を持って迎えられたものの、利用方法はそのほとんどが閲覧のみにとどまっており、入力には利用されていない」とし、そのような状況下では費用対効果は限定されると危惧。
そのための解決策としてタブレットの本質を一定の情報を検知・測定するためのセンサーと定義し、営業活動での利用を通じた計測で産まれるセールスビッグデータこそが大きな価値である、と強調しました。
そしてそうした認識を持った上で正しくセンサーを稼働していくために必要なポイントを以下の3つとしてまとめました。
- 1.コンテンツを重視する
- コンテンツは生ものである、という認識の上で定期的なアップデートをおこなう
上記対応のためのコンテンツ管理者を配置する
不要なコンテンツは極力載せない
- 2. フィードバックループを作る
- 取得する活動履歴データを利用監視などに使わない
アンケートを実施し定性情報の取得もおこなう
- 3. タブレット&スマートフォンを組み合わせて利用する
- コンテンツアップデートに気づかせるためにアラートを配信する
スマートフォンへ配信することで配信頻度の精度が向上する
最後に今回のセッションを完結にまとめたうえで今秋にラインアップに加わった、エンタプライズ向けSaaSプランとオンプレミス版、サポートオプションについての説明をさせていただき講演を締めくくりました。
実際の導入をリアルに把握できた2つの事例セッション
最後の講演は「タブレット活用事例セッション1&2」と題し、日本ミシュランタイヤ株式会社及び株式会社アデランスによる導入事例2セッション。それぞれ会社概要を簡単に説明した上で導入前時点での課題を提示。そして検討フェーズにおける選定ポイントや実際に利用してみた後の社内の反応、直近で計画している活用方法や今後の展開など細部に至るまでをお話し頂きました。
さらに株式会社アデランス金子氏はいわゆる「ナマのデータ」までスライドに折り込み、アクセスの動向が利用時にどのよう変遷しているのか、というリアルな部分まで説明し、講演の最終時間にもかかわらず熱心にメモをとる来場者の姿が印象的でした。
参考資料:日本ミシュランタイヤ株式会社 取扱店向けの営業支援ツールをHandbookで提供
参考資料:アデランス、カウンセラーに配布したタブレットのコンテンツ管理にHandbookを採用
まとめ
大盛況のうちに幕を閉じた今回のHandbook World 2015、塚本氏によるウェアラブル・コンピューティングの話に始まり、モバイルデバイスの活用方法の変遷、新たな活用方法の提案、そしてツール導入の事例等々、ビジネスにおけるモバイル活用におけるヒントが提示されていました。ウェアラブルを始め今後もモバイル分野は早いスピード感で変わっていくことが予想されますが、今回のイベントではその一部を垣間見ることができました。
なお、「Handbook World」の大阪、名古屋での追加開催が決定しました。 11月下旬~12月上旬の開催予定ですので、近隣の方はぜひ続報をお待ちください。
今回のイベントの各講演資料はこちらからダウンロードいただけます
またイベントレポートもあわせてご覧ください。
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