タブレット用極細タッチペン アクティブスタイラスペン「Jot Script Evernote Edition」とは
タブレット端末でメモを取るときに重宝するのがスタイラスペンです。しかし、これまでのタブレット端末用のスタイラスペンは、ペン先が太いためきれいな文字が書けないという欠点がありました。
この欠点を克服したのが「アクティブスタイラスペン」です。ボールペンのようにペン先が細く、小さい文字を書くのが苦になりません。
タブレット用の手書きメモアプリは、この新しいタイプのペンへの対応が求められそうです。
アクティブスタイラスペンとは
スマートフォンやタブレット端末で使われている液晶画面のタッチセンサーが動作する仕組みには、いくつかの原理があります。
そのうち、iPhoneやiPadに用いられているのは、「静電容量方式」と呼ばれるもの。これは、ペン先や指先が液晶画面に触れたとき、その部分にたまる電気量を検知して動作します。
この電気量を得るにはある程度の接触面積が必要なため、現在市販されているスタイラスペンではペン先を細くできないのです。
これを克服するために開発されたのが「アクティブスタイラスペン」です。
このペンの先端付近には静電気を発生させる装置がついていて、タッチセンサーが動作するのに必要な電気量を補う役割を果たしています。そのためペン先を細くでき、筆記具と同じようなペンを実現できるのです。
アクティブスタイラスペンは関心と需要が高まってきているため、さまざまな製品の登場が期待されています。
SDKとBluethoothを組み合わせたアクティブスタイラスペンも登場
アクティブスタイラスペンは画期的な原理をもってはいるものの、技術的に完璧ではありません。ペン先が触れた部分と液晶画面上で反応した部分との間に位置ずれを生じるため精度が悪いのです。また、極度にペンを傾けると動作しないといった技術上の問題も指摘されています。
アドニット社は、こうした技術的欠点を補うアクティブスタイラスペンを開発しました。それは、Bluetoothを使って筆跡情報を端末に送り、アプリに組み込んだSDKと連動する機能を備えた一歩先行くスタイラスペンです。
このペンは、アプリと一体化させて正確なペンの位置を割り出す新しいしくみを導入し、従来の製品よりも精度の高い筆記性能を実現しています。
同社が開発したこの新製品は、「Jot Script Evernote Edition」という名称で発売されました。クラウドサービスのエバーノート社と提携し、同社が提供している手書きメモアプリであるPenultimateに対応しています。
世界中で使い勝手の評価は高く、日本でもまたたく間に売り切れてしまい、予約待ちの状況です。
手書きメモアプリ開発に求められるアクティブスタイラスペンへの対応
アドニット社は、Jot Script Evernote Editionをさまざまなアプリでも動作できるようにSDKを提供しています。手書きメモアプリやペイントアプリを開発しているベンダーは、このSDKを組み込めばJot Script Evernote Editionに対応させることが容易にできます。
現在、手書きメモアプリは無数にあり飽和状態に近い状態です。定番の評価を受けているものでも抜きん出たものはなく、どんぐりの背比べと言えるでしょう。
今後、アクティブスタイラスペンの手書きメモアプリへの対応はユーザーから強く望まれるに違いありません。手書きメモアプリの開発ベンダーにとって、SDKを取り入れていち早く対応を進めていけば、自社開発のアプリに優位性をもたらすでしょう。
タブレット端末用の手書きメモアプリは、実用性の高さからとりわけ人気があります。それだけに、アクティブスタイラスペンへの対応は、アプリの開発や販売戦略において大きな突破口になるのではないでしょうか。
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