ビッグデータは大企業だけのもの?中小企業もビッグデータを活用しよう!

2013/12/11

「ビッグデータ」と一言で言いますが、どのくらい「ビッグ」なのでしょうか?

IT専門調査会社IDCの調査報告によれば、全世界のデータ量は2020年には40ゼタバイトに達すると見られています。この40ゼタバイトは、ギガバイトに直すと40兆ギガバイトになります。このように、今後ますます「ビッグ」になる「ビッグデータ」ですが、来たるべき時代に備えて、すでに多くの企業が活用しているのでしょうか?

答えはNOです。実は、ビッグデータを使いこなしている国内企業はまだ多くありません。2013年8月に発表されたIDC Japanによる調査の結果では、既にビッグデータを提供または利用していると回答した国内企業は9.8%にとどまっていました。

しかし、増え続けるこの膨大な量のデータを、いかに活用していくかは大きな課題です。また、このような課題は、大企業特有のものと思われがちですが、実のところ、そうではありません。中小企業においても課題になることであり、また、すでにビッグデータを活用している小規模ビジネスも実際にあるのです。

今回はそんな中小企業にも当てはまる「ビッグデータの活用のためのポイント及び活用へのステップ」と、小規模ビジネスにおけるビッグデータ活用の事例を紹介していきます。

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photo credit: paul bica via photopin cc

ビッグデータを活かすための2つのポイント

ビッグデータをビジネスに活かすコツのようなものはあるでしょうか? その点については、SAP AG社プロダクトマーケティング部のシニアディレクターDavid Jonker氏が、次のように分かりやすく説いています。これらのポイントは、ビジネスの規模の大小を問いません。

ポイント1:使えるデータをどうやって使うか

ビッグデータがいかに膨大であろうと、大切なことは「使えるデータをどうやって使うか」です。目の前のデータから、顧客は何を必要としているか。いかにしてそのビジネスニーズを満たすかを考えることです。

ポイント2:データを集めるならば戦略が不可欠

ビッグデータに投資を考えているならば、あらかじめ、何に活用するかについての戦略をもつ必要があります。これは、IT部門に大量のデータを集めてくれと頼んでおいて、後でどうやってビジネスに利用しようか考えるよりはるかに効率的です。

ビッグデータ活用への4つのステップ

続いてJonker氏はビッグデータを効率よく活用するために、次の4ステップを踏むことを勧めています。こちらも、大企業に限らず、中小企業においても実践できるような基本的な内容となっています。

ステップ1:オフライン戦略を形作る

ビッグデータで何をしようとしているのか?

売り上げアップ等の効果がありそうか?

ステップ2:明確で具体的な問いかけを作り、それに答えるデータを探す

ビッグデータを活かすためには具体的な課題が必要。

ステップ3:事業にそのデータをどう適用するか考える

ここが最も重要なポイント。

ステップ4:ビッグデータを集め、解析ツールを使って解析をする。

この段階でようやくテクノロジーの登場となる。

小規模ビジネスにおけるビッグデータの活用例

ビッグデータ活用の好例としては、「STM」(ソシエテ・デ・トランスポート・デ・モントリオール)のケースが挙げられます。同社は、2013年初頭にビッグデータを用いて、小規模な商店のビジネスも活性化させました。

STMは、モントリオールの主要な地下鉄等の交通機関を運営している企業です。同社の利用客は乗車パスと共に「メルシ」というアプリケーション・ソフトをダウンロードしておくことができます。そしてSTMは、このアプリケーションを活用し、利用客それぞれの乗車ルートに合わせて、近辺の商店がオファーを提供できるサービスを始めたのです。

ビッグデータの活用としては、地味に見えるかもしれません。しかしこれは商店側から見ると、小さなコーヒー店でもスターバックス等の巨大コーヒーチェーン店に対抗することが可能になったということを示しています。例えば近辺を通過する乗客に「ドーナツを無料でおつけします」というオファーを出すことによって、本来ならばスターバックスへ流れてしまう顧客を獲得することにつながりました。

まとめ

ビッグデータは決して大企業の特権ではありません。まずは今ある顧客や業務のデータを見直すことから始めましょう。

次にビジネスの展開のためにはどのようなデータを集めることが必要なのか、集めたデータをどのように利用するのか、具体的な戦略を立てる必要があります。

ビッグデータがあればビジネスの展開を速く進めて行くことができるとJonker氏は指摘しています。データを活用することができる体制を早急に整え、ビッグデータと二人三脚で絶妙な戦略を練り、ビジネスを有利に展開して行きましょう。

参考

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