ソフトウェア?アプリ?研究結果??さまざまな「デザイン」を対象にするグッドデザイン賞
2015年9月29日、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する2015年度グッドデザイン賞の受賞製品、サービスの一覧が発表されました。その一覧には弊社開発製品である「Handbook」の名前も。そこで今回の記事ではそもそもグッドデザイン賞って!?というところから、どんな製品、サービスが対象となるのか、そして今回の受賞理由について探ってみます。
意外と古かった、60年以上の歴史を有するグッドデザイン賞
グッドデザイン賞の創設は意外と歴史が古く、その原型は1950年代まで遡ります。
当時、「もはや終戦ではない」というフレーズとともに急速な高度経済成長期にあった日本において、海外デザインの盗用は「よくある出来事」で、小さな会社だけでなく、大会社でもおこなわれており、工業製品の意匠やキャラクターデザインなど幅広くおこなわれていたようです。 しかし、そうした状況を海外諸国が看過するわけもなく、対応を迫られた当時の通商産業省(現経済産業省)が考えだしたのが、優れたオリジナリティあるデザインに対して表彰をする「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」の創設。
デザイン自体の価値を認知させるとともに、オリジナリティある製品づくりを推進させる狙いがそこにはありました。そのため創設当初からしばらくの間は対象が一部の工業製品のみに限られたうえに審査員による推薦のみという対象範囲の狭い賞でした。
そして時間の経過とともにその役割や定義も緩やかに変化していき、1984年には「すべての」工業製品を対象化。1990年頃からは製品のインタフェースなどにも対象範囲が拡大し、さらには建築物やソフトウェアなどまでに広がりました。
「グッドデザイン賞」は「モノ」以外でも受賞できるんです
先に述べたように、グッドデザイン賞は工業製品の意匠に対して表彰をおこなう制度でした。しかし時代の変遷を経て今では「総合的なデザインを推奨」する制度となっています。社会全体の発展を目的とし、単純に意匠の良さだけではなくその製品やサービス、事象などの背景も含めた評価・選定がなされています。
主催である日本デザイン振興会のウェブサイトでは、「グッドデザイン賞が考える『デザイン』」として以下のように説明がされています。
「デザイン」という言葉の解釈は以下の2点に集約される
- 1)名詞としてのデザイン(物事のかたち、アピアランス)
- 2)動詞としてのデザイン(新たな物事を考え生み出すという行為)
グッドデザイン賞では、デザインという言葉を特に「2」の動詞として考え、「デザイン」は我々の生活をより豊かにするための「終わりのない継続的な創造的思考活動」と定義ししている。 引用元:グッドデザイン賞とは(http://www.g-mark.org/about/)
すなわち、デザインを行為として捉える解釈に重きを置いており、モノというよりはむしろ継続的なサイクルでより良い世の中作りを進めていくプロセスを評価する傾向にあるようです。
今回受賞した弊社ソフトウェア「Handbook」の受賞ポイントでは、「対立しやすい情報セキュリティの確保と操作性の高さも、丁寧なインタフェース設計で両立を実現」とあります。こうしたソフトウェアの普及・利用が結果的にタブレットなどのスマートデバイスの普及に一役買っており、日本のデジタル化促進に陰ながら寄与していることも大きなポイントであったのではないでしょうか。
受賞に共通するのはユニークさとデザイン性、そして社会性
ソフトウェア関係で受賞しているのは弊社だけではなく、ウェブサービスやアプリなどでの受賞も目立ちます。例えば、ウェブサービスの「ヤマレコ」。登山に特化した日本最大級のコミュニティサイトとして現在130万人の利用があり、ユーザ作成の登山記録をベースに初心者と上級者が交流することで、初心者でも安全な登山のための知識が得られるというサービスです。ニッチなジャンルでありながら、ターゲットユーザの年齢層の幅広さを意識してユニバーサルデザインとしており、かつ安全な登山に寄与していることが評価のポイントとなっているようです。
また、ユニークな分野ではIoT(Internet of Things)として家の鍵をスマホでの操作を可能にする「キュリオスマートロック」のようなものもあります。2015年8月の発売で発売前からウェブメディア等で大きな話題を集めていましたが、そういった話題性だけでなく、「器具を簡単に取り付け、アプリをダウンロードする」だけで始めることができる手軽さ、そしてプロダクト及びアプリのデザイン性と総合的に評価を受けています。
他にも、「軍艦島3Dプロジェクト」のような研究結果などでの受賞もあるなど、多岐に渡っています。なお、10月31日から11月4日まで東京ミッドタウンにて2015年度のグッドデザイン賞の受賞作品を紹介するイベントが開催されます。興味のある方は下記特設ページに詳細がありますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
最後に
今回、Handbookがグッドデザイン賞を受賞できたことは関係者にとって、とても大きな自信となりました。それは自分たちが信念を持って進めているサービスに対して、これまで積み上げてきた売上や利用実績社数という定量的な数値に加え、新たなお墨付きを頂いたと言えるからです。また、グッドデザイン賞を受賞した立場として、事業を通じて社会の持続的な発展に貢献をしていく、という責務に対し改めて強い思いを抱いています。今後のHandbookの展開にご期待ください。
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