VR元年!360度カメラで写真や動画を撮影してビジネスに活用を

2016/12/01

はじめに:VRとは

VRとは、Vitual Reality(バーチャルリアリティ)のことで、人工的に作り出された現実に近い世界、あるいは仮想現実で、あたかもその場所にいるかのような感覚を体験可能にする技術です。

様々な業界や企業がVR仮想現実空間のデータ化を開始し、高画質で安価なVR対応機材が発売されはじめたことでVRが一気に身近な存在となった2016年は「VR元年」とも呼ばれています。

全周囲に視線を動かして楽しめる360度の画像や動画のコンテンツは、VR、あるいは仮想現実のひとつといえます。

VRと比較されるARとは、Augmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)のことで、拡張現実のことを意味します。

2016年7月にリリースされて、今もなお世界的ブームとなっている「ポケモンGO」は、拡張現実を利用したARアプリケーションということになります。

国際的調査会社IDC(International Data Corporation)がVR/AR市場予測を発表しています。

発表された市場予測(※)によると、VR/AR市場は2020年には現在の市場規模である52億ドルから1620億ドルまでに成長すると見込まれ、この成長予測を年率成長率に換算すると年率181.3%となるとしています。

スマートフォンの進化によって安価なモバイル型VR/AR機器が実現したことで、VR/ARの新市場が誕生したとも報じています。

(※出典:IDC http://vrinside.jp/news/ar-vr-market-grow/)

1.誰でも360度コンテンツを活用する時代に

このようにパソコンはもちろん、スマートフォンの処理能力や機能の進化が飛躍的に進んでいるため、誰もが360度コンテンツを簡単に体験できるようになりました。

視聴方法も至って簡単で、スマートフォンやタブレットでしたら機器の傾きや回転で再生画面も同様に傾き、回転します。パソコンからの視聴の場合、マウスで画面をドラックすることで同様に画面を傾けたり、回転させることができます。

簡単になったのは360度コンテンツの表示だけではありません。
360度コンテンツを撮影可能なカメラも比較的安価になり、3万円以内で購入できるものも登場、たいへん購入しやすくなっています。

360度コンテンツを導入し自社プロモーションをお考えの企業は多いと思いますが、今こそ実現に移すときだといえます。

360度コンテンツを活用することで仮想空間の疑似体験が可能となり、企業の商品やサービス、また空間のディテールを簡単に紹介できるようになるでしょう。

通常の画像だと撮影漏れやアングル制限があるため、クライアントへイメージがうまく伝わりづらい場合も、360度コンテンツなら、より効果的に伝達できるのです。

2.360度コンテンツを活用している業界

360度コンテンツというと、どうしてもエンターテイメント業界だけのものだと思っていないでしょうか。

VRヘッドギアを着用して楽しむ映画やゲーム、さらには360度のミュージックコンテンツではライブの興奮を自宅で味わえ、ミュージシャンのパフォーマンスを身近で体感できる時代になっており、大きな話題を呼んでいます。

しかし、エンターテイメント業界以外にも実際のビジネスにおける360度コンテンツの活用は進んでいます。

たとえば、不動産のウェブサイトにて、360度コンテンツを利用して効果的に物件の間取りを紹介するといった使い方があります。

平面的な画像にくらべて室内空間が一目瞭然に伝わりやすく、クライアントはまるでその物件を訪問しているかのような臨場感を味わうことができます。画像そのものへの興味も湧きますし、どのような物件かというのをすぐ把握できるのです。

また、建設業界では建設中の進捗状況を360度画像や動画で撮影することにより、天井裏や床下など従来見えにくかった部分の詳細な状況把握が可能になりました。

ほかにも、ウェディング、宴会やイベント、不動産、リゾート施設、観光施設をはじめ、施工現場、販売陳列、工場・倉庫と実に幅広いジャンルのシーンにて360度コンテンツ を取り入れています。

Handbookのサイトではより詳しい実例を紹介しています。

Handbook導入事例: オフィスバスターズ様の360度画像

3. 360度カメラの紹介

360度コンテンツを撮影するには、360度カメラが必要になります。360度カメラとは、360度画像・360度動画が撮影できるカメラのことです。

代表的な360度カメラには、Ricoh Theta S, Kodak SP360, IC Real Tech Allie, NCTech iris360, Samsung Galaxy Gear 360などの機種があります。

なかでも125gと非常に軽量でコンパクト、ボタン一つの操作で360度コンテンツが撮影できるRicoh Theta Sがおすすめです。

Ricoh Theta Sで撮影された360度コンテンツは、Handbookにおいても動作確認済みです。

また、iPhoneをお持ちの方は、iPhoneに接続して360度動画を撮影できるInsta360 Nanoというカメラもお試しいただく価値があります。

iPhone 6 /iPhone 6 plus /iPhone 6s /iPhone 6s plus /iPhone 7 /iPhone 7 plusに対応しており、価格も2万円台で、非常に軽量、専用アプリをダウンロードすれば、iPhone画面でプレビューしながら撮影できます。

4. 360度コンテンツの拡張子や容量は?

実際に360度動画や画像と通常動画や画像を撮影し、拡張子やファイルサイズを比較してみました。

各ファイルの拡張子ですが、MOV,JPG,MP3など通常の画像、動画の拡張子と全く変わりません。

これでどうやって360度コンテンツだと認識されるのか?と疑問をお持ちの方もおられるでしょうが、その仕組みは次の章で説明します。

通常のカメラ撮影に対し、360度カメラは全方位を一つのデータに凝縮させるのですからファイルサイズには、明らかな差があります。

iPhone 6sの通常動画撮影だと1.5Mほどの容量の動画が、Insta 360 nanoを付けて360度動画にすると約6Mまで増えました。

360度カメラで撮影した動画や画像は、通常よりも4〜6倍ほどのファイルサイズとなり、保存するには大容量ディスクが必要となるでしょう。

360度コンテンツの再生方法は、360度コンテンツに対応しているウェブサービスやアプリケーション、システムで表示、再生できるようになります。

代表的な例ではFacebookやYouTube等がすでに360度コンテンツを再生可能です。360度コンテンツを再生するにあたって、利用者が設定などを意識することはありません。

5.360度コンテンツの公開・共有

撮影された360度コンテンツを実際に共有するにはどうすればよいのでしょうか。

360度画像や動画の拡張子は普通の画像や動画と変わりませんが、360度カメラで撮影したコンテンツはアップロード先のシステムで「このコンテンツは360度ビューですよ」と自動で認識されるようになっているため、手順に従って通常の動画や画像と同様にファイルをアップロードするだけで、360度動画として配信処理が実行され公開、共有されます。

ただし、どのカメラ、どの機種が対応しているかはアップロード先によって異なってくるため、もしそのシステムがサポートしていないカメラでアップロードする際には、手動でメタデータと呼ばれる「このコンテンツは360度ビューですよ」と認識されるデータを付加する必要があります。

インフォテリアのクラウド型コンテンツ管理システムであるHandbookも360度コンテンツ配信・表示が可能となっています。

充実した配信管理・セキュリティ機能、オフライン表示機能も備えられており、ビジネスユースのコンテンツ共有には最適な環境です。

さらにモバイルアプリケーション「Handbookアプリ iPhone/iPad版」でも360度コンテンツが利用可能となり、スマートフォンやタブレット端末からも360度コンテンツを閲覧できるようになっています。

(参考:360度画像・動画」対応機能ご紹介)

2016年11月27日現在では、Handbookが動作確認してサポートしているカメラはRICOH THETA Sとなっており、360度画像はPhoto Sphere XMP、360度動画はSpherical Video V2 RFCのメタデータが保存された画像や動画を360度コンテンツとして認識するようになっています。

まとめ:VRの今後の可能性と期待したいこと

VRはより身近に、そして敷居が低いものになってきました。本記事で紹介したように、簡単な手順で360度コンテンツをアップロードし共有できるので、ぜひビジネスにおいても色々な360度コンテンツを撮影して、Handbook等で共有し、販促や営業に活用してみてはいかがでしょうか。

VRの将来は、IoT(Internet of Thing)と融合し人間の手を離れてコンテンツが撮れる時代がやってくると予測します。

スポーツの試合などが様々なアングルから360度カメラで撮影され、VRゴーグルで観戦できるようになったら今まで以上に興奮すること間違いありません。

さらに、360度動画、画像に加え、サウンド、振動、匂いまでも仮想空間で表現できるようになっていけば、より高度なバーチャルリアリティの時代がやってくるでしょう。

VRの可能性は大きく広がっているのです。

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