中小企業にも最先端ITの恩恵を!

2014/01/15

中小企業にとっても、最先端IT技術を活用できることは大企業に負けず劣らず大きなメリットをもたらします。ですが、最新技術はエンタープライズ市場に優先的に導入され、中小企業は遅れて恩恵を受けることになりがちです。

中小企業が最先端ITの恩恵を受けて、それを利用するためのヒントは大企業のIT部門にありそうです。大企業ではITシステムをどのように見て利用しているのか、中小企業は大企業から学ぶこともできます。

以下に、大企業のITシステムに対する方針をいくつか例に挙げます。

A benefit of the IT advanced in the medium and small-sized business

photo credit: ChrisDag via photopin cc

1.拡張性を重視

中小企業向きとされているコンパクトなITシステムは、コスト面や軌道修正の点では有利ですが、大企業ではコンパクトであることを重要視していません。

大企業の事業規模は大きく、彼らは成長を見越した長期にわたる事業計画を立てています。事業が成長する上で、ITシステムの拡張性に問題があると、収益性を損なうとさえ考えています。拡張性に問題があると、ビジネス規模が拡大した際に障害となります。

その1つが、サービス品質の低下です。キャパシティを超えた情報量は負荷となり、応答性や可用性の低下をもたらします。事業内容によってはそれが致命的にもなり得ます。中小企業においても、コストばかりでなく成長性や事業戦略に基づいたリソース計画は有用です。

2.アウトソーシングを利用し、本業に集中

大企業はコアビジネスに集中するため、外注を積極的に利用します。

ITシステムの管理は、多くの企業において本業ではないでしょう。こうしたシステムを外注することで、責任もまた「外注」することになり、本業に注力できます。

中小企業の多くは固定費増加を嫌って自前主義であることが多いものですが、事業の中核でないシステムをアウトソースするという考えは、却って中核に人的リソースを集中できることになります。

3.機能制限を受けない選択をする

中小企業向けの業務パッケージやシステムの多くが、利用アカウント数の上限、格納データ量、機能など多くの点で、意図的に何らかの利用制限を課しています。そして、制限を外すためには追加コストを支払う必要があります。

SaaSなどのクラウドサービスは、インハウス型システムと比べ、エンタープライズ向けの機能も制限を受けることなく利用できます。SaaSはあらゆる規模の企業を対象としているためです。初期コストが低廉であるのもSaaSのメリットです。システム導入の制限からも開放されると言えます。

4.最悪の事態へ備える

今やデータはビジネスにとっての生命線です。

大企業ではBCPを策定し、データ喪失やシステム停止などへの備えを計画的に行っています。ただ1つのデータ喪失であっても、企業にとって壊滅的なダメージとなる可能性があるからです。最悪の場合、事業停止や廃業すらあり得ます。

中小企業にとってはディザスタ・リカバリ(災害復旧)ソリューションをアウトソースすることで、コストを抑えつつ大企業と同レベルの災害対策が行えることになります。

5.人手を必要としないシステムを目指す

最高のITシステムは人の手を全く煩わせないものです。大企業ではITシステムを改善し、自動化を進めます。自動化により従業員の負担が軽減され、ヒューマンエラーの機会も減ります。

中小企業の限られた人員をコアビジネスに集中させるためは、同様のアプローチは非常に有効です。

6.唯一のデータをシェアする仕組みを導入する

大企業では、ビッグデータに代表されるような大量かつ巨大なデータを分散させず、一箇所に統合して管理するということをよく行います。一方、中小企業では、アプリケーション単位で、あるいはビジネスユニット単位で、それぞれに関連性のあるデータを各々維持しています。

統合されたビッグデータは分析手法により、何色にもなり得るデータです。分析次第で価値はいくらでも高めることができます。そのデータを利用するアプリケーションも、共通化や統合が容易になります。

7.常にITシステムを最新状態に保つ

大企業では効率化によるコスト減が、効率化にかけるコストを上回るため、ITシステムを最新状態に保つための投資に積極的です。他社との競争もあり、常にシステムを最新に保とうとしています。

中小企業が同じように頻繁なアップグレードを行うことは困難です。ですが、SaaSやホスティングを利用すれば、手を煩わせることは無いでしょう。

大企業に学ぶ意味とは

こうした事例は一般論ではあるものの、大企業のシステム運用に対する考え方は、中小企業へも適用可能です。大企業におけるITシステム導入と運用は、決して感覚的などではなく、費用対効果やリスク分析の元に下された判断であるから、参考にできるといえます。

参考

新着記事

カテゴリ