Apple、Microsoft、そしてAdobeが取り組みを強化するクリエイティブツールとしてのモバイルの未来(1)
現在のモバイルシーンの始まりとも言えるiPhoneの登場からすでに7年が経過し、世界的にモバイルの活用に大きなうねりが生じつつあります。特に、モバイルツールをクリエイティブ作成のためのツールとして利用していく動きにその傾向は顕著です。今回はそうした動向をApple、Microsoft、Adobeなどの取り組みから見ていきます。
「創造する」ツールへの変化を狙うApple
まずAppleの動向ですが、2015年6月9日にサンフランシスコのモスコーンセンターで開催されたWWDCでは残念なことに、イノベーティブなデバイスの発表はありませんでした。WWDCに先立ち2015年4月に発売が開始されたApple Watchがあるものの、現状ではまだまだiPhoneのノーティフィケーション機能に過ぎません。
参考:【WWDC 15 参加レポート】一連のセッションを通じて感じたアップルの『本気』
Appleからライフチェンジングなデバイスが登場してくるのは少なくとも今秋まではお預けとなります。昨年あたりから話題に挙がっているiPad ProやOS Xが動作するiPadなど、周辺の噂は尽きませんので今後に期待が集まります。
そして、今回のWWDCで発表されたiOSのマルチタスクや画面分割、そして iPad Proなどの噂は、Appleのひとつの方向性を示しているとも考えられます。 それはiPadが「閲覧機器」という概念を超越し、クリエイティブな「創造機器」として変化を遂げる、というものです。そうした動きに合わせてAppleはクリエイティブ系のアプリもリリースしてくることが見込まれます。デスクトップ、ラップトップといった既存のデバイスを前提としたものではなく、全く新しい概念のもと動作をするアプリ、そうしたところにも今後、注目したいところです。
「仕事で使えるモバイル」へシフトアップするMicrosoft
Windows10のリリースで一気にモバイルでの巻き返しを狙うMicrosoft。クリエイティブツールとしてのモバイル、という側面で評価を受けている「Surface Pro 3」など、モバイルをクリエイティブツールとしても活用していく取り組みを積極的に進めています。
その代表例がAdobeとMicrosoftがパートナーシップを組んだ「Adobe CC」と言えるでしょう。Surfaceの手書き入力に対応して操作感が大きく向上するなど、クリエイターサイドからも歓迎され。対応アプリがPhotoshopを皮切りに次々とリリースされています。
また、「Surface」は「2in1」(デスクトップとモバイルの役割を一台で)というコンセプトのもと、アプリやキーボード、そしてペンツールまでまとめて提案、提供をおこなっています。
特に、モバイルアプリ周辺での動きは顕著であり、自社の看板製品であるOfficeをiPadに対応させただけでなく、M&Aも積極的に仕掛けており、メールとカレンダーを統合するアプリ「Accompli」(「Outlook Mobile」として公開済み)や、カレンダーアプリの「Sunrise」TODO管理アプリの「Wunderilist」などの買収を次々とおこなっています。
そして、オンライン・ストレージ・サービスのDropboxとの業務提携では、Officeファイルの編集・管理の利便性を高める施策などが提携後にリリースされており、今後のさらなる動きにも注目が集まっています。
こうした取り組みは過去のデスクトップのOSとソフトウェアに注力していた姿とは完全に別物であり、Microsoftの「仕事で使えるモバイル」という流れは今後もより加速していくことは間違いないのではないでしょうか。
参考:「製品」から「サービス」へWindows10はマイクロソフト社の決意の表れ!?
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