「製品」から「サービス」へWindows10はマイクロソフト社の決意の表れ!?

2015/06/16

2015年6月1日、Microsoft社から正式なリリース日が発表されたWindows10。期間限定ながら、Windows7以上を利用しているユーザに対しては無償アップデートができる、という情報が既に知られていたこともありリリース日発表の前後は大きな話題となりました。さまざまなメディアで取り上げられたこともあり、そのタイミングでリリースを知った、という方も多いのではないでしょうか。 今回はWindows10のリリースにあたり、Microsoft社の発表しているトピックをまとめつつ、過去と比較して何が違うのか、を考えてみました。 なお、本記事中の情報はコンテンツ公開日である2015年6月12日時点のものとなります。

Windows10

1.Windows8の現在のシェアが意味すること

Windowsが辿った歴史を振り返ってみると、Windows7までのMicrosoft社はモバイルとPCで完全にOSを別のモノ、として定義し開発をおこなっていたように思います。その流れに対して新しいアプローチを試みたのが、2012年8月にリリースされたWindows8。 これまでのPC前提から刷新し、タッチパネルでの操作を見据えた設計であるModern UIベースのユーザインタフェースは新しい時代を感じさせるもので、大々的におこなわれたプロモーションの効果や既存Windowsユーザ向けの優待プログラムが発表されたこともあり、大きな話題と期待を集めました。

しかしながら、リリースされると「スタートボタン」がなくなり、チャームバーが追加された新インタフェースに対して多くのユーザから戸惑いの声が噴出するなど評判は一転。不満の声はネットを通じて大きく拡散し、そうした声を受けてアップデートをためらったり、見送ったり、或いは元のOSに戻した、という方も多いのではないでしょうか。 実際に、Windows8の現時点でのシェアを見てみると、バージョン8と8.1を合わせても16%程度で、Windows7の1/3にも満たず、既にサポートが終了しているWindowsXPと大差ない、というところで、残念ながらこの数字がWindows8に対するユーザからの評価を如実に物語っている、と言えるかもしれません。

※(2015年5月デスクトップOSシェア)ネットアプリケーションズ調べ

2015年5月デスクトップOSシェア ネットアプリケーションズ調べ

2.Windows10リリースはMicrosoft社にとって「変わる」決意の象徴!?

Windows As A Service

しかしながら、今回のWindows10のリリースはWindows8のときとは全く別物、と呼べるものになりそうです。 「Windows As A Service」 この言葉は2015年1月に米国で開催されたWindows10のデモイベントでMicrosoft社の幹部が語ったもので、今回の刷新はこの言葉に集約されているとも言えます。 すなわち、Windowsは「製品」から「サービス」へと変わる、ということです。直近の「Windows8.1 with Bing」などでも戦略を描いていたように、モバイルデバイスの急速な普及により崩れ始めているとも言われる、Windowsを中心としたパーソナルコンピュータを巡るエコシステムを今一度、再構築していく、といった不退転の決意のようなものがこの言葉からは伝わってきます。 既存ユーザ向けの1年間限定の無償アップデートや「Raspberry Pi 」向け開発環境の提供、そしてIoT向けのエディション投下など、ユーザだけでなく、開発者も含めたWindows体験を増加させるような施策を次々と打ち出していることはひとつの象徴とも言えるのではないでしょうか。 そして、再構築の象徴とも言えるのが、20年超続いてきたInternet Explorerの歴史に幕を閉じ(※)、搭載される新ブラウザ「Microsoft Edge」(コードネーム「Spartan」)へ移行すること。音声認識ソフト「Cortana」やブラウザ拡張機能「Extensions」などとも連携することで、ユーザ体験の向上が見込まれます。 昨今、Internet Explorerは安全性を重視するあまりパフォーマンスが高くなく、新興ブラウザと比較してユーザ・開発者双方からあまり評価が高くないと言われていました。しかしながら、新レンダリングエンジン「Edge HTML」では既にパフォーマンステストで他新興ブラウザと同等の結果が出ているとも言われており、今後の動向に注目が集まっています。

※Windows10には「Internet Explorer」も搭載される見込みですが、古いWebサイトなどの表示に特化することになり、徐々に終息に向かっていくようです。

3.Windows10は7つのエディションでのリリース

Windows10は7つのSKUでリリース

米国時間2015年5月13日のMicrosoft社発表によると、Windows10は現在、IoT向けを含めた7つのSKU(エディション)でのリリースが予定されています。 Windows8リリース時のSKUが「Windows 8(無印)」、「Windows 8 Pro」、「Windows RT」、「Windows 8 Enterprise」の4つ(のちに「Windows 8.1 for Education」が追加され、5つに)、Windows7の時も6つであり、今回一般ユーザ、エンタープライズ向けのMobileエディションが2つ追加されたことを加味すると、決して多い数字ではありません。

Windows7 Windows8 Windows10
新興国向け Home Basic
ネットブック向け Starter
ネットブック向け Starter
一般PC向け Home Premium (無印) Home
ビジネス向け→
コンシューマ上位 (モバイル)
Mobile
ビジネス向け→
コンシューマ上位
Professional Pro Pro
すべての機能を搭載 Ultimate Pro Pro
大企業向け Enterprise
大企業向け(モバイル) Mobile Enterprise
ARMアーキテクチャ搭載PC向け RT
教育向け for Education Education
IoT向け IoT Core

これらのエディションについてはまだ具体的な価格や機能などについて現時点では発表されていませんが、原則企業向けは無償アップデートに含まれない、ということなので導入を検討する企業の方はお気を付けください。

既存利用のバージョン アップデート後のバージョン
Windows 10 Home Windows 7 Starter
Windows 7 Home Basic
Windows 7 Home Premium
Windows 8.1 with Bing
Windows 8.1
Windows 10 Home
Windows 10 Pro Windows 7 Professional
Windows 7 Ultimate
Windows 8.1 Pro
Windows 10 Pro
Windows 10 Mobile Windows Phone 8.1 Windows 10 Mobile

4.Windows10はさまざまなデバイス、機器と連携してゆく

Windows10は当初からスマートフォン、タブレット、PC、そして大画面ディスプレイ、ウェアラブル端末をはじめとしたIoT機器などとの連携を見越した開発がおこなわれており、その第一弾とも言えるSurface Hubについての詳細が先日、Microsoft社から発表されていました。

Surface Hub

Surface Hubは55型と84型の2タイプの発売が決まっており、7月1日からの受注開始を予定しています。Microsoft社では下記引用の通り、このデバイスを通して新たな働き方を提供する、とのことで、Windows10をハブとしたさまざまなデバイス、そして人が連携していくことを見込んでいます。

we are one step closer to bringing a new way of working to our business customers and delivering a tool that will bring teams together in more efficient and engaging ways.

現状、Windowsなしでのビジネスは考えられないところですが、こういったデバイスの登場で新しいビジネススタイルが生まれていくのか、は大きな注目ポイントと言えるでしょう。

Surface Hub 製品案内サイト(英語)

また、通称「ラズパイ」とも言われるRaspberry Pi 2 Model Bの開発環境を無償で提供することも決定しており、もはや情報端末にとどまらず、IoTに対しての本気度がこのトピックから伝わります。今回のWindows10からIoT専用のエディションをリリースするなど、最も旬な領域であるこの分野でMicrosoft社がどのように動いていくのか、注目に値するのではないでしょうか。

まとめ

モバイルデバイス市場でのつまづきやWindows8への評価などから、近年ポジティブなニュースがあまり多くない印象のWindows陣営ですが、それでもまだデスクトップOSとしては圧倒的なシェアを誇っていることは事実です。しかしながら、今回リリースされるWindows10で発表されているトピックはこれまでとは一線を画すものであり、モバイルとかPCといったデバイス間での連携の行方によってはモバイルデバイス市場の巨人Androidの牙城を崩す、ということも十分に考え得るのではないでしょうか。 今後もタブレット活用ブログではWindows10についての記事を提供予定です。ぜひ、ご期待ください。

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