マイクロソフトのタブレットシフトは何を意味するのか
Surface Pro発売後数ヶ月でSurface Pro2を発表するなど、タブレットに注力するマイクロソフト社。ひとつの企業がソフトウェアとハードウェアの両方を手がけることでユーザーのニーズに応えやすくなるなど、この戦略にはメリットがあり、注目されています。
今回はSurfaceを切り口に、このマイクロソフト社のタブレットシフトの意味や、ポストPC時代のタブレットユースのあり方について考えます。
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Surface Pro2はどこが変わったか?
Surface Pro2は、6月に発売されたSurface Proと比較して、解像度がアップしたことやUSBポートが2.0から3.0へ進化したことなどの改善が加えられています。
OSにはWindows 8.1が搭載され、Windowsストアアプリのみが使用可能なWindows RTを搭載した「Surface 2」に比べてより幅広い使い方が可能です。
Surface Pro2には、Surface Proと同様にキーボード付きのカバーである「タッチカバー2」および「タイプカバー2」が用意されているほか、バッテリーを内蔵して長時間の駆動を可能にした「パワーカバー」も登場しました。
これらの製品からは、さまざまな環境での使用に柔軟に応えていこうというマイクロソフト社の姿勢がうかがえます。
マイクロソフトがタブレットに注力する理由
マイクロソフト社のタブレット参入により、業界は大きな転換期を迎えました。さらにマイクロソフト社はSurface Pro発売後すぐにSurface Pro2を発表するなど、タブレットへの注力を続けています。
ひとつの企業がソフトウェアとハードウェアの両方を作り、ソフトウェアを中心としながら、そこからデバイスやサービスに広がっていくというビジネス展開は、従来のように端末とサービスが分断されていないため、その端末に最適な形式のソフトウェアを簡単に入手できるようになります。
つまり、ユーザーのニーズに素早く応えることができるようになり、また、ユーザーは利用するデバイスやソフトウェアを柔軟に選択することができるというメリットがあります。
あらゆることがコンピューターを使って行われるようになり、無線LANなどによってどこにいてもインターネットを利用することが可能になった今、さまざまなシチュエーションでそれぞれのニーズに合った端末やサービスを使うことができることはとても重要です。
そして、そのためにもソフトとハードの両方を扱うことは大きな強みとなるのです。
Post-PC時代はクラウドの使い勝手がカギ
また、タブレットをはじめとしたモバイル端末について考える上で忘れることができないのが、クラウドサービスの存在です。
マイクロソフト社ではスカイドライブというクラウドサービスを展開していますが、Surfaceの各端末では、ファイルの保存先のデフォルトがスカイドライブに設定されているなど、クラウド利用を前提とした設定がなされています。
このような自社のクラウドサービスの使用へ自然と誘導できる点も、自社ハードを持つことのメリットと言えるでしょう。
そして、このことはタブレットをビジネスで利用する上でもとても重要なこととなります。
タブレットとクラウドサービスの組み合わせにより、いつでも必要な資料を持ち歩き、作業できることは、業務の効率化に大きく役立ちます。
特にSurfaceの各機種にはMicrosoft Officeが標準搭載されているので、数あるタブレットの中でもビジネスで利用する上でのメリットは大きいのではないでしょうか。
Surfaceの登場は単なる新製品の発売ではなく、このようなパソコンやモバイルといった端末、そしてソフトウェアのあり方が大きく変わろうとする転換期の象徴とも言えるのです。