注目のAndroid4.4 Kitkat に搭載された新機能は?
アップルパイ(Apple Pie)から始まったAndroid OSですが、バナナブレッド(Banana Bread)、カップケーキ(Cupcake)、ドーナツ(Donut)、エクレア(Eclair)、フローズンヨーグルト(Froyo)、ジンジャーブレッド(Gingerbread)、ハニカム(Honeycomb)、アイスクリームサンドウィッチ(Icecream Sandwich)、ジェリービーン(Jelly Bean)と続いて、11番目にあたる「K」は、キットカット(Kitkat)でした。
4.1~4.3のコードネームがジェリービーンに対し、4.4にはキットカットという別のコードネームが付けられ、多くの機能が追加されました。今日はAndroid4.4の機能をいくつか紹介します。
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低スペックモデルへの対応
Android4.4は、より多くのデバイスで、速くかつスムースに動くよう設計されています。
例えば、512MBのメモリしか搭載されていないエントリーモデル(低性能かつ低価格なデバイス)でも、動作可能できるよう作られました。これは、主要コンポーネントが合理化されたことと、新しいAPIやツールを実装することで、メモリ効率を高められた結果によるものです。
NFCホストカードエミュレーション(HCE)
NFCホストカードエミュレーション(HCE)に対応することで、決済などのセキュアなトランザクションが行えるようになりました。ISO/IEC14443-3(ISO-DEP)プロトコルを使用して、ISO/7816/4ベースのスマートカードをエミュレートします。
これまで、Android端末がNFC非接触機能を利用するためには、Google Walletアプリが必要でした。しかし、Android4.4ではクレジットカードなどのICカードをAndroidアプリとして使うことが可能となり、Google Walletアプリがなくても非接触決済を行うことができるようになりました。
印刷フレームワーク
Wi-Fiまたは、クラウド上のプリンターからコンテンツを印刷できるようになりました。印刷対応アプリでは、プリンターの検出や用紙サイズの変更、印刷ページの選択を行い、任意のコンテンツを印刷できます。
ストレージアクセスフレームワーク
アプリ間でのファイルのやりとりを助ける開発ライブラリです。ファイルを選択するためのピッカーと呼ばれるあらゆるアプリで一貫したUIがシステムから提供されるため、ドキュメントや画像などのファイルを簡単に開けるようになります。
低電力センサー
もともとAndroidでは、センサーイベントが個別処理されていました。これがバッチ処理に変わること(バッチセンサー)で、複数のセンサーイベントが効率よく収集され処理され、消費電力をさらに抑えることを可能にしました。
また、Android4.4は、歩数計と歩行検出機能に対応しました。従来、複雑な検出アルゴリズムで解析しなければならなかったことをハードウェアに実装することで、低電力化につながります。
歩行数だけでなく、歩行検出機能により、ウォーキング、ランニング、階段を上るといった動作を検出することが可能となりました。今後このようなヘルス分野のアプリがより充実することが期待できます。
フルスクリーンモード
ステータスバーが半透明になったことに加え、ゲームプレイや読書時、動画再生時などは、ステータスバーが完全に隠れて全画面表示されるフルスクリーンモードとなり没入感を高めます。なお、画面の上部または下部をスワイプすれば、ステータスバーやナビゲーションボタンが表示されるという新しいジェスチャーが追加されました。
電話アプリの強化
通話時間や頻度などを含めた通話履歴をもとに並び替えを行い、これから電話をかけると思われる連絡先を上位表示されます。また、知らない番号から電話がかかってきた場合は、Googleマップから登録されている番号を検索し、発信源を表示する機能が搭載されました。
再生専用のロックスクリーン
Chromecastで映像を再生中や、音楽再生時に利用できる専用ロックスクリーンが採用されました。この画面では、ロックを解除することなく、再生、一時停止や早送りが操作できます。
まとめ
ここで紹介した機能は、Android4.4に搭載された機能のごく一部です。他には以下のような機能があります。
- Procstats: メモリリソースの分析ができる
- memoinfo: アプリのメモリ使用量を確認できる
- Process Stats: 端末のメモリステータスのプロファイリングができる
- 任意のアプリでSMS/MMSを利用することができるSMSプロバイダーの追加
- Bluetoothプロファイル、IRブラスター、Wi-FiTDLSサポートといった新しいネットワークの接続への対応
- セキュリティ面の強化
- アプリの中で、高品質な画面の遷移アニメーションを簡単に実装できるフレームワークの追加
- 着信通知の詳細がみられるNotificationアクセスの強化
- アクセシビリティ機能にシステムレベルでのキャプション(字幕)機能を追加
Android4.4が、エントリーモデルでも動作するよう、メモリの使用効率を高めたのは、Kitkatが高性能モデルから廉価モデルまで、すべてのAndroidスマートフォンで動作することを目指していると思われます。Kitkatが、Androidのさらなる市場拡大を牽引できるかが注目されます。