Android対iOS戦争、ついに自動車が主戦場へ
調査会社IDCの報告によると、世界のスマートフォン市場は、その81%をAndroidが占め、iOSは、わずか13%でした(2013年第3四半期)。数字面では、圧倒的な勝利を見せるAndroidですが、人気面ではアップルも負けていません。そんな、AndroidとiOSの戦いが、ついにスマートフォンを超えて、自動車の世界にもその場を広げてきました。
自動車にAndroidモバイルシステムを搭載
1月初旬、グーグルを筆頭に、アウディ、GM、ホンダ、ヒュンダイといった大手企業が、Androidモバイルシステムを搭載した自動車を、今年(2014 年)中に発売すると発表しました。Open Automotive Allianceのメンバーである、チップメーカーのNVIDIAは、「これは始まりであって終わりではない。私たちは、Androidの互換性を利用することに興味のあるすべての会社に協力する」と語っています。
それに遡ること7ヶ月前、アップルは、今後の展開として、iPhoneユーザーが互換性を持ったシステムを搭載した自動車とデバイスを接続できるようにすることを発表しました。地図、電話、メッセージ、ミュージックをはじめとした多くの機能が利用可能となります。まだ実現していませんが、アップルによると、かなり近いところまできており、噂ではiOS7のアップデートでの対応になるのではと囁かれています。
アップルによると、iOS車載システムのパートナーに、ホンダ、メルセデスベンツ、日産、フェラーリ、インフィニティ、起亜自動車、ヒュンダイ、ボルボ、アキュラ、ジャガー、オペル、シボレーといった多くの会社が名乗りを上げています。
シボレーのスパークとソニック は、すでにアップルの「Siri」の「Eyes Free」機能に対応済みです。「Eyes Free」機能を使うことで、iPhoneの通話やiTunesのライブラリのコンテンツの再生、「iMessage」でのメッセージの送信、カレンダーへの予定の登録などが音声で操作可能になります。
スマートフォン車載システムの未来
最新のモバイルアプリの多くは、最新の渋滞情報や駐車場検索アプリなど、カーナビゲーションと連携した、ドライバーにとって便利なサービスを提供しています。こういったアプリを利用するときに、AndroidまたはiOS搭載のディスプレイで、使い慣れたスマートフォンの画面をそのまま映し出せたらより便利になるでしょう。
しかし、スマートフォンのユーザーインターフェースは、ユーザーの注意を引くように設計されており、自動車を運転するという環境では、安全性に疑問が残ります。ハンズフリーで、視線を画面に移さずとも操作できる、ユーザーインターフェースの対応とその精度を高めることが必須課題となるでしょう。
加えて、最近のカーナビゲーションの進化は、単なる道案内に留まっていません。メーカーオプションのカーナビシステムは、ナビ協調制御を導入しています。これは、カーナビからの前方の道路情報とドライバーの操作をもとに、ATの最適な変則制御を行ったり、カーナビが減速ポイントを把握し、自動車が一時停止線に安全に停止したりできるよう、ドライバーをサポートします。
渋滞情報、駐車場情報といった面で、スマートフォンのアプリが優秀でも、こういった車の内部で密接につながったメーカーオプションのナビを超えるには、まだ多くの課題が残されています。
まとめ
スマートフォンは、Android、iOSの他に、Windows PhoneやBlackBerryといった選択肢もありますが、現時点での市場状況から、自動車業界のプラットフォーム戦争は、AndroidとiOSの一騎打ちになるものと思われます。今後の展開に注目です。
また、ブログには「Android対iOS、ビジネス利用に向いているのは?」、「iPad Air vs. Sruface Pro 2 〜 ビジネス活用に適しているのはどちらのタブレットか?」も掲載しておりますので、お読みいただければと思います。