ドローンや360度カメラ、VRデバイスなどの映像技術に感じた4つの魅力

2016/03/19

2013年に書いた MCM(モバイルコンテンツ管理)とは何か にもある通り、Handbook では先進的な(あるいはコンシューマー的な)コンテンツを、ビジネスの現場で使えるという側面が重要だと考えています。

だからこそ、昨今世間を賑わせているドローンやジンバル、360度カメラ(VRカメラ)は、Handbook的には見逃すことのできないツールなわけです。

そんな言い訳を元にドローンや360度カメラなどをいろいろと使っているのですが、使ってみるといろいろと気づくものです。

今回はそこで感じたポイントをお伝えします。

1. もちろん「空間」を伝えられる

これは当然のことですが、360度カメラによる静止画や動画は、特にジャイロ対応させたタブレットやヘッドマウントディスプレイで閲覧すると、空間を疑似体験できます。

通常のカメラによる映像は基本的には固定的に撮影されるものです。ですから、ある程度の広がりを捉えることは原則的にできません。

また、空撮によって俯瞰的に眺めることも実は空間を伝える上で重要です。

例えばある建物を上空から撮影することでその建物の構造などを自然に俯瞰できるのです。これは地上で建物を正面から撮影したのでは得られない感覚です。

つまり、空間そのものをビジネスの価値にしている場合には空撮やVRは外すことのできない映像体験というのは議論をまたないでしょう。

小国町の鍋ヶ滝を360度カメラで撮影。スマホかタブレットで見て、VR(仮想現実)的にお楽しみください。 滝を裏側から見られる素晴らしい滝でしたよ!

2.「周辺環境による意味付け」を与えられる

ところで、空撮による伝達力について話すと「どうせ地上からでは見えない映像を見せても意味がない」というような意見も耳にします。

例えば先日、私は滝を撮影したのですが、滝の上流がどうなっているのかということは確かに見えません。

では、その滝の上空からの映像が意味のないものだったかというと、そうは思いません。

滝を上空からみることで「こういう川の一角にこの滝は存在するのか」ということが分かります。

そして、その認識が滝に対する認識を変えるのです。つまり、ただ見上げた滝と上空から俯瞰してから見た滝とでは感じるものが異なるのです。

空撮が地上からしか滝を体験できない私の認識を変化させるのです。

その場では実際には体験できない映像であったとしてもそれを意味付けするのが人間という動物です。

例えば都市部の店舗であったとしても、周辺の街からの映像を使うことで店自体のブランディングにつなげることができるでしょう。

3. 「没入する」ことによる強い興味を喚起できる

ヘッドマウントディスプレイの体験は、ある意味で想像通りである一方で、やはり驚きでした。

私の場合では、夢の世界にすとんと落ちたような、気持ち悪いような、それでも美しい映像に囲まれた気持ち良いような、いわく言いがたい体験でした。

これまではいかに大きなディスプレイが目の前にあるにしても、それは目の前の現実の中の「一部」としてだけ存在していました。

ヘッドマウントディスプレイの場合には認識できるのはデジタルの映像だけです。その映像だけが「現実」になるのです。夢を見ているような不思議な浮遊感を覚えます。

より臨場感をもって現実を伝えるということが可能になるのですが、個人的にはこれは催眠術的な効果があるのではないかという気がします。

つまり、あくまで個人的な感覚ですが、VRで「体験」した映像世界に対しては、なぜか強く「もっと見たい」という欲望が湧く気がするのです。

これはディスプレイから流れてくる映像にはない感覚でした。一方で、もしかしたらVRが珍しいからそう感じるだけなのかもしれません。

そのうちどこかの会社がVRで疑似体験させた場合と、通常のビデオを見た場合で、どちらがその場所やお店などに強く行ってみたいかを調査してくれると思いますのでそれを待ってみたいものです。

4.撮影・編集のコストが低い

映像コンテンツを作る側からすると、これが大きいかもしれません。

例えばある観光地を紹介する映像を作ろうと思うと、しっかりと企画を立て、コンテを作って、プロのカメラマンが撮影し、その映像をしっかりとカット編集するという一連の流れが必要です。

ところが、VRであればそれがプロの力を借りなくても人に十分見せられるコンテンツになってしまいます(目新しい今だけの現象なのかはわかりません)。

そもそも論ですが、なぜ動画制作にコンテや編集が必要かというと、人間が固定したシーンに対して飽きるからなのだと思います。だから飽きないようにパッパッとシーンを切り替える必要がでてくるんじゃないかなと思うんです。

一方でVRであれば閲覧者は飽きたら自分で視線を動かせます。

ですから、たとえ一方方向に安定的に撮影しただけの360度動画というだけでも、私達視聴者は好きな箇所に視点を向けられるので、全然編集がなくても飽きずに見られたりするのです。

また、ドローンについては、視点が動く映像を撮るのに役立ちます。

カメラが動く映像は、従来ならレールやクレーンを使うかだったのかと思いますがドローンを低空で飛ばすとスムーズな移動のある映像が簡単に撮れます。

それが映像のリッチ感をましてくれるのです。

空撮も魅力ですが、こうした魅力もドローンにはあります(もちろんジンバルも同じように視点がスムーズに移動する映像が手軽に取れます)。

その結果、なんとなくハイクオリティ(に見える)映像が手軽に作れるという結果になっているのだと思います。

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スマホが普及した時のようにVRデバイスもすぐに普及するのかもしれません。

全ての産業がソフトウェア化すると言われる昨今ですが、ネットやアプリ的でないまさにリアルな産業にとってこそ、こうした映像体験技術は重要なのだと思います。

そうしたらVRのUXが議論されたり、VRファーストとか言われたりするのかもしれません。

もちろん、VRコンテンツの視聴だけでなく、現実の映像に情報を付加したARも本格化していくと思います。デジタルだけから構成される現実というものがすぐに立ち現われてくるのでしょう。

そして、そういう未来はすぐに来るんだろうなーとか感じています。そうしたらいま「モバイル」とか言っているのも、あっさりと昔話になってしまうんだろうなと思います。

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