ビジネスマンのためのスマートウォッチ最新動向

2020/04/07

「Apple Watch」が普及したおかげもあり、日本でもすっかり市民権を得た感のあるスマートウォッチ。以前は、一部のガジェット好きしか使用していませんでしたが、最近では一般人やビジネスマンにも愛用者が増えているようです。しかし、まだまだ「スマートウォッチって何?」という人のほうが圧倒的に多いのが現状でしょう。そこで今回は、これからスマートウォッチの購入を検討するビジネスマンに向け、スマートウォッチの選び方や最新動向について紹介したいと思います。

今さら聞けない!そもそもスマートウォッチとは

まず、そもそもスマートウォッチが、どのようなものなのか説明したいと思います。

スマートウォッチとは

「スマートウォッチ」とは、時計の本体にCPUが内蔵された、腕時計のように身に付けられる「ウェアラブル端末」の総称です。スマートウォッチには加速度センサーをはじめとする各種センサーが内蔵されており、心拍数や血圧といったバイタルや、歩数やランニングの速度などを計測することができます。さらに、スマートウォッチは通常の時計としての使用はもちろんのこと、スマホと連動することによってさまざまなアプリ機能を追加することも可能です。たとえば、電子マネーのチップを搭載したスマートウォッチであれば、買い物時に決済ができるようになります。

また、スマートウォッチのデザインには、タッチパネルの画面を基調とした近未来的なものが多いイメージがありますが、最近はアナログ文字盤のようなデザインのものもあるなど、その選択肢が広がっていることも普及した要因のひとつといえるでしょう。

スマートウォッチでできること

前述した通り、スマートウォッチはスマホと連携することで、すでにダウンロード済みのアプリの一部機能を使うことが可能になります。たとえば、電話やメール送信、アプリ通知の確認といった機能を、スマホを取り出さずに行うことができるのです。また、音楽プレーヤーとして利用できるものもあるため、歩数やスピードなどを計測しながら、音楽をかけてランニングするといったことも可能になります。そして、いつも身に付けているというウェアラブルデバイスの特性上、活動量計として利用できることや、心拍数や睡眠の記録といった健康管理の利用ができるというメリットがある点も、健康管理が大切なビジネスマンに支持される理由でしょう。

スマートウォッチを選ぶポイント

自分に合ったスマートウォッチを選ぶための、基本的なポイントを紹介します。

対応OS

スマートウォッチはスマホと連携して使用するケースが多いため、普段使っているスマホに対応したOSを搭載したものを選ぶことが重要になります。たとえば、Apple Watchには「Watch OS」と呼ばれるAppleが独自開発したウェアラブル用OSが搭載されているため、iPhoneを持っていることが必須条件です。

また、Googleが自社開発した「Wear OS by Google」はAndroidと互換性があるOSになっていますが、iPhoneユーザーでも利用できます。なお、サムスンの「Tizen」というOSも、iPhone、Androidどちらのスマホ端末でもOKですが、一部使用できる機能が限定されているため注意が必要です。

使用目的や用途

スマートウォッチを選ぶ場合には、自分がどのような目的で使用したいかという点も重要になります。たとえば、普段ランニングをする方であれば、加速度センサーが付いているものや、消費カロリーを表示できるものがよいでしょう。

また、毎日の健康管理に使う方には、歩数や血圧、心拍などのバイタルを計測してくれる機能が付いた機種を選ぶ必要があります。いっぽう、コンビニでの買い物や、通勤時に駅でわざわざスマホを出すのが億劫だという方であれば、「Suica」や「Apple Pay」などの電子決済に対応した機種を選んでおくことで、スマートなキャッシュレスライフを送れるでしょう。

ビジネスマン向けスマートウォッチを選ぶポイント

ビジネスユースなスマートウォッチを選ぶ場合には、前述したポイント以外にも気を付けるべきことがあります。

ビジネスの場にマッチするデザインかどうか

ビジネスユースなスマートウォッチを選ぶ際に気を付けるべきポイントは、「シンプルなデザイン」の機種を選ぶことです。腕時計らしいデザインのもので、ストラップは革や金属製のものを選ぶと無難だと思います。特に、硬めの職種の方は、スーツと合わせた際、アンマッチにならないもので、かつYシャツの裾を通る薄型デザインのものを選ぶようにしましょう。

バッテリー持続時間

スマートウォッチは普通の時計に比べ、電池がすぐになくなってしまう点がデメリットです。そのため、ビジネスユースのスマートウォッチを選ぶ際には、せめて1日はバッテリーが持続できる機種を選ぶようにしましょう。特に、出張が多い方は、バッテリー持続時間が長い機種を選んでおくと安心です。

スマートウォッチのビジネス活用

ビジネスシーンにおけるスマートウォッチの活用方法を紹介します。

スケジュール・タスク管理

スマートウォッチを着けているとイベント通知を確実に知ることができるため、カレンダーアプリやタスク管理アプリと相性抜群です。そのため、スマートウォッチをカレンダーやスケジュールアプリなどと連携させておけば、大事な予定やタスクを見逃すことも少なくなるでしょう。

また、スケジュールやタスクの入力もスマートウォッチから音声で行うことが可能なので、時短しつつ着実にタスク管理できます。さらに、すぐにメモをしたい場合や、ふとアイディアが浮かんだ際にも、メモアプリを使ってすぐに音声入力することも可能です。

大事なメールや電話も見逃さない

ほとんどのスマートウォッチにはバイブレーション機能が搭載されているため、メールや電話がかかってきた際には、手首の振動ですぐに気づくことができます。そのため、大切な電話やメールを見逃す機会も少なくなるでしょう。

また、メールの要件だけであれば、スマートウォッチのディスプレイでも確認できますので、仕事をスピーディーに進められます。もちろん、LINEのメッセージもスマートウォッチ上で確認でき、音声入力による返信も可能です。

現場の業務にハンズフリーで対応

医療、製造・建設などの現場でも、スマートウォッチが活用されています。医療の現場ではナースコールと連携や、音声入力を使った業務日報の作成など、医療スタッフの日々の業務の効率化に貢献しています。

さらに製造業や建設業では、現場の安全確認や熱中症防止など作業員の健康管理に活かされた例もあります。いずれも、スマートウォッチはハンズフリーが要求される現場での業務にも向いています。

知っておきたいスマートウォッチの最新動向

最後に、ビジネスマンであれば知っておきたい、IT専門調査会社「IDC Japan」が発表したスマートウォッチの最新動向を紹介します。

スマートウォッチ市場の現状と今後

IDC Japan によると、2019年第1四半期における世界のウェアラブルデバイス出荷台数は、前年同期比55.2%増の4,958万台となっています。なお、腕時計型とリストバンド型は、全体の63.2%を占めるとのことで、依然ウェアラブル市場を牽引しているそうです。いっぽう、日本国内におけるウェアラブルデバイスの出荷台数は合計61.2万台ということで、前年同期と比べ132.6%増しになっています。

スマートウォッチ市場を後押ししている要因のひとつが、「AirPods」などに代表される「耳装着型デバイス」の伸長だそうです。耳装着型デバイスの市場規模は、前年同期比351.5%増と飛躍的に拡大しており、相性のよいスマートウォッチ市場も牽引される形になりました。この流れを受け、機能面においてもヘッドフォンジャックが排除される傾向が強いとのこと。その他の機能については、健康やフィットネスに関する機能の充実化が進んでいる状態で、今後もこの傾向が続くと予想されています。

各メーカーの動向

やはり、前述したAirPodsの大量出荷に牽引される形で、スマートウォッチ市場はアップルのシェアが首位となっています。特に、日本国内においては、盤石な地位を確立したといっても過言ではないでしょう。

いっぽう、音声アシスタント機能に対応したヘッドフォンを発売したソニーなどのメーカーもシェアを伸ばしているそうです。今後は、スマホ、スマートウォッチに加え、これらの耳装着型デバイスを組み合わせたサービスがより発展していく未来が予想されます。

キャズムを超え一般層へと広がったスマートウォッチ

今回は、ビジネスマンに向け、スマートウォッチの選び方や最新動向について紹介しました。初代Apple Watchが発売された頃は、機能面やバッテリーの持続時間について課題が多い印象でした。しかし現在では、こうした問題がクリアされ独自の進化を遂げ、多くの人に受け入れられている状況といえるでしょう。スマートウォッチは、利用目的に合わせたアプリを活用することで、ビジネスシーンでも多彩な使い方ができるようになります。

また、今後の耳装着型デバイスとの連携によるさらなる進化も見逃せません。すでにキャズムの谷を越えたスマートウォッチは、使いこなすことが当たり前のデバイスになりつつあるでしょう。時代の波に乗り遅れないためにも、まだスマートウォッチを使っていない方は、このタイミングで検討してみてはいかがでしょう。

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