BYODにかかせないMCM、MAMの基本の「き」日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)『MAM/MCM利用ガイド』【β版】より
この4月に日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)から『MAM/MCM利用ガイド』【β版】が発表されました。このガイドは、スマートフォン、タブレットの業務利用でおさえておくべき基本を解説しており、一見複雑な内容についても、標準的でわかりやすい説明がなされています。このガイドから、「MCM」に関する部分を中心にご紹介します。
BYODではデータ単位のセキュリティ管理が必須
スマートフォンやタブレットが日常生活に欠かせない存在となり、仕事においてもこれらスマートデバイスが活用されるようになった今、これらを安全に使うための知識は必須となってきました。
モバイル端末のセキュリティ向上手段には、MDM(Mobile Device Management)やMAM(Mobile Application Management)、MCM(Mobile Contents Management)などがあります。このうちMDMは端末全体の管理を行い、MAMではアプリケーション単位でセキュリティの制限を行う仕組みとなっています。
MDMやMAMも目的に応じて活用すればとても有効なセキュリティ手段となりますが、BYODにおいては、これらの方法だけでは適切なセキュリティ管理を行えないケースも多々あります。
ひとつの端末に業務用のデータと私用のデータが混在し、その保管先も端末内だけでなくクラウドや業務システム内など多岐にわたるため、データ単位でのセキュリティ管理を行うことが必要となってきます。このような時に活用されるのが、MCM(モバイル・コンテンツ管理)です。
MCMならデータを総合的に管理できる
MCMは、コンテンツに対してセキュリティ対策を行うものです。ここでのコンテンツとは、端末やクラウド上に保存されるドキュメントや画像、音声などのデータを指します。単にコンテンツを管理するだけでなく、そのコンテンツのライフサイクルを管理することができる点も、MCMの大きな特徴となります。
MCMは、コンテンツの作成者や作成日時などの属性のほか、コンテンツを保管する期間、参照できる利用者(またはデバイス)などを管理することができます。さらにコンテンツの移動やコピーについても制限を行うことによって、コンテンツを扱う際に起こる多様な問題に対応できるものとなっています。
BYOD時代は、MCMによる管理がポイント
この利用ガイドにもあるとおり、近年の現状として、個人で所有するスマートフォンやタブレットを業務にも使用するBYODがとても多くなっています。私用での端末利用に影響を与えずに、業務に関する情報を安全に管理するうえでは、MCMの有効活用が重要なものとなります。
セキュリティに関するトラブルを防ぎ、利便性と安全を両立させながらモバイル端末を活用するためには、MCMの導入が大きな意味を持ちます。こういった利用ガイドをきっかけに、MAM、MCMへの理解が進むことは、企業が安心してモバイルデバイスを使える大きな一歩となるでしょう。
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BYODの成功を支えるMCMとは何か?
BYODのデバイスには従来のデバイス管理等による管理手法が適用しにくいため、利用者が管理者の許可なくデバイスを業務で利用するという状況、いわゆる「シャドーIT」を生み出しています。こうした現状に対して、デバイスではなくコンテンツの管理に集中するMCM(モバイルコンテンツ管理)という領域が有効であることが注目されています。本資料では、MCMの有効性と実際の活用事例をご説明し、BYOD 成功のポイントをご紹介します。
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