スマホ、タブレットOSのダウングレードについて

2017/02/01

はじめに

誰でも、どこの会社でも一度はある「スマホ(またはタブレット端末も含む。本記事では以降”スマホ”に省略)のOSをアップグレードしたら、ちゃんと動作しない、アプリが動かなくなってしまった…」という経験。

新しいバージョンのOSが配信された直後には、必ずといっていいほど致命的な不具合が見つかるものです。

しかし、特にそれほどスマホに詳しくないユーザーにとっては、新しいOSが入手可能という通知を見ると反射的にアップグレードのボタンを押してしまいます。

実行してしまったら、もしアップグレードの途中で気がついても電源を落とすわけにはいかず、後の祭りです。

このような場合、はたしてスマホOSのダウングレードを行うことは可能なのでしょうか?こういうトラブルをなくすにはどうすればよいのでしょうか?

1. Android とiOS 配布方法と更新について

まずはスマホの代表的なOSである、Android、iOSそれぞれのOS配布方法、更新手順などについて、確認してきたいと思います。

最も大きな違いは、AndroidはiOSのようにApple社という1つの会社から配信されるわけではなく、各キャリアや端末メーカーによって配布され、アップデート時期も機種によってばらつきがあることです。

特徴をまとめたのが以下の図になります。

  Android iOS
最新バージョン(2017年1月現在) 7.1.1 10.2.1
一般的な配布方法 購入時に端末本体にインストールされて提供 購入時に端末本体にインストールされて提供
更新版の通知方法 利用可能になると端末にプッシュ通知 利用可能になると端末にプッシュ通知
手動更新方法 設定→端末情報→ソフトウェア更新 設定→一般→ソフトウェアアップデート
更新タイミング 各メーカー、端末によってバージョンとタイミングが異なる アップル社から一斉のタイミングで配布される

次にOSを最新版にアップデートを行った時のメリット、デメリットについて考えてみましょう。

アップデートすることによってのメリット

  • ・最新の機能追加:新しく追加された機能や技術に対応
  • ・セキュリティ面の対策強化:新しく発見されたウィルスや脆弱性に対応
  • ・端末の不具合の修正:OSや本体のバグなどを修正し不具合が解消
  • ・最新のアプリを利用できるようになる:新しい技術を使ったアプリに対応

アップデートすることによってのデメリット

  • ・新たな不具合が発生する可能性:全ての端末検証が取れていないためシステムエラーが発生する可能性
  • ・動作が遅くなる可能性:最新端末では問題ないが古い端末の場合は処理能力が追いつかず動作が遅くなる可能性
  • ・アプリが対応していない可能性:全てのアプリ開発メーカーが動作検証を行っていないため不具合が起きる可能性

もちろんメーカー側はアップデートによるメリットしか発表しませんが、実際にはこのように、少なくない数のデメリットがあることは確かです。

なので、もし誤ってOSをアップグレードしたとしても、ダウングレードできる権利は当然与えられるべきだと思うかもしれません。しかし現実は違います。

2.OSのダウングレードについて

端末のOSアップグレードを行って不具合が発生した際、古いOSへダウングレードが可能なのでしょうか? 結果からいうと、できないともいえませんが、正規の方法では不可能といえます。

ダウングレードに関する公式の考え方

Android(Google社)、iOS(Apple社)共にダウングレードを勧めておらず、Apple社やAndroid端末発売元の各メーカーでもダウングレードした端末は補償外となり、正式な修理も行えなくなります。

ダウングレードの方法

バックアップファイル等を使用することにより、技術的に可能ではあるようですが、非公式の手順です。

インターネットで検索すれば情報が沢山でてきますが、試すのはおすすめしません。特に企業で採用するのはリスクが大きいでしょう。

・Androidの場合

一部のメーカーではファクトリーイメージ(工場出荷時のOSバージョン)が用意されており、そのイメージを使用したダウングレードが可能なようです。

・iOSの場合

Apple社ではファクトリーイメージの用意はありませんが、Apple社が署名を続けているバージョンへは戻せるという情報もあります。しかし、公式な手段ではありません。

このように、メーカーがダウングレードを非推奨かつ保証対象外にしている以上、ダウングレードするべきではありません。

3. 社内配布スマホに対するOS管理

Android、iOS共にOSのダウングレードは公式に推奨されないという壁に突き当たりましたが、ではどのように対策を講じればよいでしょうか?

ダウングレードが実質不可能である以上、ダウングレードに代わる唯一の選択肢は「OSをアップグレードしない」ということになります。

しかし、それでは日進月歩で進化するスマホOSの世界ですので、セキュリティ面の問題が大きすぎるのも事実です。

スマホの運用に際しては、ダウングレードはできず、常に最新版OSに追従をする運用をしなければならないことを原則として考えましょう。

ここで、アップグレードのデメリットを再度確認してみましょう。

最初の2つは端末に関わる問題でした。ですから、OSのアップデートに併せて検証がとられやすい機種を選んでおくことでリスクを回避することができます。

つまり、AppleのiPhone, iPadあるいは有力なAndroid端末を買っておき、古くなりすぎる前に機種リプレースを定期的に行っておけばリスクは最小化できるということです。

もう一つはアプリについてですが、OSアップデートへの対応が迅速に行われるアプリを選んでおくことが重要になります。

つまり、アプリの導入時には目の前の機能要件だけでなく、OSアップデートへの追従の速度を過去の対応履歴などから把握しておく必要があるということです。

言うまでもなく、よほどの特殊な要件であるか開発力に余力があるのでない限りは、変化速度が早いiOSやAndroid上で業務アプリを自社開発するのは避けたほうがよいでしょう。

モバイルアプリのアップデートの負担は、PCのOS上のソフトに比べると大変に大きいものです。

一方、最新版OSでの端末やアプリの検証が済むには一定の時間がかかるのも事実です。それまでは、「アップグレード禁止」という通達を出し、注意喚起することによってアップグレードを抑えるしかありません。

また、ユーザーが誤ってOSアップグレードを行ってしまうことを想定し、予備端末を用意するなどの運用でもカバーする必要もあるかもしれません。

おわりに

誰でも一度は後悔するスマホのOSアップグレード。しかしパソコンのOSと違い、スマホのOSでは公にダウングレードする方法がありません。

インターネットの情報系サイト等にはダウングレード方法が掲載されていますが、企業で採用するにはリスクも伴います。

そのためスマホのOSは常に最新OSバージョンにて運営し、新型ウィルスや脆弱性への対策、バグ改善などを行うことを前提に運用を考えましょう。その前提で端末やアプリの選定をしておくのです。

やむを得ず古いOSバージョンで運用する場合は、アップグレードを制御できないことを管理者が念頭においたうえで、各種のトラブルに備えるようにしておきたいものです。

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