タブレットでおもてなし タブレットのインバウンド対応最前線
年末年始の東京でも外国人観光客が行きかう姿が日常風景となってきていますね。2017年は年間2800万人を超える訪日外国人が来ていると予測されており(2018年1月現在)、観光庁の発表によると、オリンピック開催が開催される2020年にはなんと4000万人の訪日観光客を目指す、と発表されています。少し前までは訪日観光客の主な目的の一つは流行語にもなった「爆買い」に代表されるツアーショッピングでした。
しかし、ここ数年の傾向として、ショッピングを楽しむ「モノ消費」から、体験やサービス、歴史建造物や自然の見物など観光らしい観光を楽しむ「コト消費」にシフトしつつあると言われています。背景には中国人観光客のニーズの多様化や、越境ECなど国をまたいだネット通販が広まったことも一因と言われています。そんな中、「言葉」や「文化知識」などの問題は訪日外国人の文化体験を妨げかねません。そんな訪日外国人の「コト消費」をサポートするツールとしてタブレットが活用されています。そこで本記事ではタブレットを活用して訪日外国人の「おもてなし」を工夫されてる取り組みについてご紹介させていただきます!
レンタカーを利用するとタブレットもレンタル?東北での新しい取り組み
東北地区レンタカー協会連合会や日立ソリューションズ東日本が推進する取り組みでは、訪日観光客がレンタカーを借りるとドライブ支援のタブレット端末を貸し出す実証実験を始めています。2017年4月に宮城県からスタートした取り組みを拡大する形で2017年9月より東北全域でスタートしました!
(参考)<インバウンド>レンタカー利用者にタブレット 実証実験、東北全域に拡大
相撲や能・狂言など伝統芸能の文化体験もタブレットがサポート!
日本古来の伝統芸能や文化体験についてもタブレットがサポートする動きが広がっています。奈良県にある葛城市相撲館「けはや座」では、展示資料や相撲の歴史などを日本語のほか英語、フランス語など5カ国語で紹介するタブレット端末を導入、2017年5月より来館者に無料で貸し出すサービスをスタートしました。外国人には難しい相撲用語や歴史の解説や動画なども盛り込んだ事で急増する海外からの観光客にも好評いただいているようです。
(参考)SUMO知ってる? 葛城市相撲館、外国人向けタブレット端末導入 奈良
能や狂言の世界も外国人に楽しんでもらおうと、タブレットを活用した「おもてなし」の取り組みが進んでいます。東京都文京区の宝生能楽堂ではせりふや歌に使われる古語の解説を初心者でもわかるよう英語と日本語で説明するタブレット端末を貸し出す仕組みを導入しています。導入したタブレットは観覧に合わせてタブレットを見られるように舞台の進行に合わせて画面が自動的に替わり、操作する手間がない。音声が出ないので、他の観客の邪魔にもならない。舞台装置や能楽師の役割などの豆知識もイラストと文章で説明しているようです。
(参考)能・狂言 ITで外国人おもてなし タブレットなど活用、英語説明
病院や警察もタブレットを導入、「困った」をサポート
訪日外国人が増加することで不意の病気やトラブルについてもタブレットを使ったサポートを取り入れている取り組みも始まっています。日本を代表する観光都市京都にある康生会武田病院では年間で60か国以上にもなる外国人観光客の翻訳対応にタブレット端末を使った自動翻訳システムを導入しているとのことです。同院が取り入れたシステムはリアルタイムで顔を見て話しながら相互通訳を受けられる仕組みで、受付で24時間、英語、中国語、韓国語に対応できるようになったという。
(参考)京都 外国人増えて「患者」も急増 困惑の病院 24時間通訳タブレット端末導入
福岡県警では、外国人観光客の増加に対応するため、都心部や観光地に近い県内8カ所の交番に中国語や韓国語、英語など31言語を翻訳するタブレット端末を導入しました。これまで、警察官が韓国語や英語などの基本的な会話文を覚えて対応。しかし、近年はスリランカやネパールなど国籍も多様化し、現場から「片言の言葉とジェスチャーだけでは限界がある」との声に対応する形で導入されたサービスにより、現場の警察官からも「安心した表情で話してくれるようになった」との声が上がっているようです。
訪日外国人対応も「Handbook」がサポート
インフォテリアの提供する「Handbook」でも、タブレットを使った訪日外国人向けのコンテンツ活用が進んでいます。その中の一つ、秋田県仙北市では観光施設での訪日観光客対応にHandbookを活用しています。秋田県仙北市は田沢湖、秋田駒ヶ岳、八幡平などに代表される豊かな自然に囲まれ、外国人観光客などを対象としたグリーン・ツーリズム(農山漁村地域において自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動)にも注力しています。またWi-fi(無線LAN)が完備された農家民宿が多く存在し、外国人観光客などを対象とした「コト体験」の魅力を高めるため「Handbook」に多言語コンテンツや360度コンテンツを登録し、観光スポットや季節の行事などのご案内に活用しています。
秋田県仙北市、観光施設での訪日観光客対応にHandbookを活用
いかがでしょうか。まとめるとタブレットによるインバウンド観光客支援については以下のようなポイントになると思います。
- ・訪日外国人の来日目的は「モノ消費」から「コト消費」にトレンドが変わりつつある
- ・タブレットによる訪日外国人の支援の取り組みは2020年に向けてこれからが本番!
- ・単純な多言語コンテンツよりも「リアルタイム翻訳」「コンテンツと連動」「360度コンテンツ」などリッチコンテンツを使った取り組みが増える傾向にある
また、今回ご紹介した事例では対応言語がとりあえず英語のみ、という事例もあれば、31言語までサポート、という大掛かりな取り組みもありました。どの言語まで対応するかなど、現場のニーズを見ながら活用の幅を増やしていく必要もあるかもしれませんね。2020年までもうあとわずか、接客、飲食などサービス業に関わる企業の方は是非早いウチに取り組まれることをお勧めします。
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