【2015年夏版】ビジネスで使える!10インチ超タブレット(iOS、Windows、Android)比較レポート
2015年に入っても引続き普及の波が止まらないタブレット。Windowsをはじめ、iPad以外でビジネス利用できる製品が揃いつつあります。
また、「2in1 PC」と呼ばれる、ウルトラブックとタブレットの間のような製品もWindows 10のリリースを見込み、続々と登場してきています。
しかし種類は多いものの、何を選んでよいのかわからない、という声もチラホラ。
そこで今回はバラエティに富むタブレットの中で「ビジネスに使える」タブレットを6製品ご紹介します。ノートPCの選択肢としても使える製品ばかりですので、「次の1台」の検討にお役立てください。
主要3OSの独占市場化しているタブレット市場
現在、市場には3つのモバイル向けOS、iOS、Android、Windowsの製品がラインナップされています。
2014年の初頭くらいまでの日本国内においてはビジネス向けタブレットはiPadの牙城でしたが、そこにAndroidやWindowsのOSを搭載したものが登場し、徐々に勢力図が変わりつつあります。今回はそれぞれのOSごとに分け、ビジネスで利用できる製品をご紹介していきます。
今回の記事では以下の機種を紹介していきます。
- ・Apple iPad Air2(iOS)
- ・Sumsung Galaxy Tab S 10.5(Android OS)
- ・SONY Xperia Z4 Tablet(Android OS)
- ・Acer Aspire Switch 10E(Windows OS)
- ・ASUS TransBook T100TAL(Windows OS)
- ・Microsoft Surface 3(Windows OS)
王者たるゆえんの使いやすさとアプリの豊富さがメリットのiPad
薄く、軽く、そして高機能なiPad Air2
まず、iOS搭載のタブレットと言えばiPad。サイズの違う「iPad mini」もありますが、現行の製品で10インチ前後の機種は「iPad Air 2」のみです。(正確なディスプレイサイズは9.7インチですが、10インチに含めています。)
iPad Air 2の大きな特徴は、AppleのAirシリーズに共通する「薄く、軽い」こと。これに尽きます。初代iPad Airで成し遂げた軽量かつ薄い、という利点をさらに追及しながらもメモリやプロセッサの強化、カメラやWi-Fi機能の性能向上などでより一層使い勝手が良く仕上がっています。
残念ながらAppleからは純正のキーボードが販売されていないため、キーボードを導入する場合はサードパーティの製品を購入することになります。iPad Air 2対応のキーボードは、デザイン的にAppleに近しいテイストのものから機能性に重きを置いているものまで、他のタブレットと比較してもバラエティに富んでいます。
そのため予算を絞らなければご自身の希望に近いものを選ぶことができるのではないでしょうか。
また、キーボードの重量は500~600グラムのものが主流となるため、合わせて1キログラム前後、ということで考えるとよいでしょう。
iPad Air 2は今秋にリリースとなるiOS9で実装されるSlide Over、Split Viewともに利用することができるため、リリース後はより一層ビジネスでは使いやすくなるものと思われます。現在でもすでに多くあるビジネス向けアプリがさらに使いやすくなっていくことも大いに考えられることであり、ビジネス向けでは引き続き最有力なタブレットと言えるでしょう。
Split View、Slide Overについては下のリンク先で詳細を説明していますのでご一読ください。
参考:iOS9へのアップデートでビジネスモバイルシーンが変わる!?「良い体験を。」に込めたAppleの意図を考察する
エンターテイメント性が強いがビジネスでも使えるAndroidタブレット
Androidタブレットはこれまで、OSが無料という特性からさまざまなメーカーが参入し、多くの製品が登場してきました。しかし、売れ筋は電子書籍、ゲーム、インターネットなどでの利用を想定した7、8インチクラスのタブレットで、ビジネスで活用しやすい10インチ前後のタブレットは比較すると少なめとなります。
そうした状況ではあるものの、iPad Airに対抗するような形で2014年頃から10インチサイズのタブレットも登場してきています。ここでは昨年発売の「Galaxy Tab S」と今年発売の「Xperia Z4 Tablet」を取り上げます。
ディスプレイの美しさと軽快な操作感が持ち味のGalaxy Tab S
「エッジ・ディスプレイ」を搭載したGalaxy S6 edgeが大きく注目を集めたSamsung。
広告のキャッチコピーでも「明るく美しいディスプレイ」とアピールしていますが、同じシリーズである本タブレットも同様、ディスプレイの美しさが他のAndroidタブレットより際立っています。
動画鑑賞などの趣味分野だけでなく、ビジネスにおいてもクライアントへのタブレットを用いた商品説明や動画閲覧などをおこなうケースでは有利に働くことが考えられます。
また、Androidの製品の場合、iPadやiPhoneなどのApple製品のようなタッチパネルのフィールについてストレスを感じる機種が多いものの、本タブレットは全くそういったところを感じさせず、iPadやiPhoneなどと近しく軽快に動作します。
ビジネスでは時にセンシティブなケースでの利用もあるので、この操作性は安心して利用できるのではないでしょうか。そして、本タブレットの465グラムという軽さもその操作感を後押しします。
フラッグシップモデルであるためメモリやプロセッサ、グラフィック処理の性能が高いこともあり、発売から約1年近くが経つものの、「高性能」の部類に入るタブレットと言えるでしょう。
一方で純正のキーボードがないことや、ビデオ出力がMicroUSB経由の新規格MHLのみであることがデメリットとして挙げられます。MHL対応のプロジェクタはビジネスシーンではまだまだ多くないため、HDMI変換プラグなどを持ち歩く必要が出てくるため、頻繁にプロジェクタを利用する方には若干不便なところがあるかもしれません。
防水、ハイレゾだけじゃなくビジネスでも使えるXperia Z4 Tablet
SONY XperiaのフラッグシップシリーズとなるZシリーズ。今回取り上げるZ4 はスマートフォンもタブレットもラインアップされていますが、ともに高機能カメラの搭載、バスルームでも使える防水機能、そしてハイレゾ音源が楽しめるという3つの点が注目され発売前から話題を集めました。
タブレットも8.4型と10.5型のディスプレイサイズが異なる2つがラインアップされていますが、今回取り上げるのは10.5型サイズです。
先に挙げた防水機能やハイレゾ音源対応、というところばかりに注目が集まっているためか、エンターテイメントマシンというイメージが強い本タブレットですが、洗練を重ねたUI/UXであるため、ビジネスシーンの利用でも快適な使い勝手をもたらしてくれます。
また、別売りとはなりますが、純正のキーボード「BKB50」を合わせても750グラム程度で今回取り上げているタブレットの中では一番の軽さを誇ります。キーボードもピッチ間が17mmあり、快適なキーボード操作を担保しています。そして、Microsoft Office for Android Tabletがプリインストールされているので、
Word/Excel/PowerPointの閲覧、編集もできます。本製品に搭載されているオクタコア(6コア)プロセッサ、QualcommのSnapdragonが編集作業を快適なものにしてくれます。
要注意な点としては物理ボタンの少なさやGalaxy Tab Sと同様にビデオ入力がMicroUSB経由のMHLであることが挙げられます。MHLについては先に言及したので割愛しますが、物理的ボタンとはホームボタンや音量ボタンなどのことです。
また、フィールの部分でもほんの僅かにですが、Galaxy Tab S等よりモサっとしたところがあるように思います。これらの操作感の点はiPhoneやiPadなどに馴染んでいる方にとってはフラストレーションになるかもしれませんので、検討時は実機に触れ、入念にチェックするとよいかもしれません。
Windows 10のリリースを契機に次々と新製品が登場するWindowsタブレット
とにかくコストパフォーマンスが高いAcer Aspire Switch 10E
今回取り上げる中では一番リーズナブルに購入ができるのが本製品。しかもキーボードもセットでの価格となり、割安感は群を抜きます。実は本製品は正確に分類するとPCとなるいわゆる「2in1 PC」ですが、操作感含めタブレットと近しいため今回取り上げています。
本製品は値段がリーズナブルな分、ディスプレイの解像度が1280×800ピクセルと少し低めであったり、カメラの画素数がメイン、サブともに200万画素のものが採用されているなどといった点は少し物足りないように感じる方もいることでしょう。
また、本体重量がキーボードを含めると1200グラムとiPad Air 2やGalaxy Tab S、Xperia Z4 Tabletなどと比較するとだいぶ重く感じられます。そのため、重い製品は避けたいという方にはおススメできません。
しかしながら、この価格でOffice Home and Business 2013を付属しているなど、ビジネス利用の視点で割り切ればコストパフォーマンスが高い一台です。予算をかけずにビジネスで使えるマシンが欲しい、という方にはうってつけの一台」と言えるでしょう。
コストパフォーマンスだけでなく、デザインクオリティも高いASUS TransBook T100TAL
こちらもAspire Switch 10Eと同様、リーズナブルですが、Office系ソフトは付属していません。
また、ストレージが32GBと一時期のウルトラブック的なサイズとなるため、クラウドサービスなどと連携しての利用想定で設計されているものと思われます。
メモリは2GB、プロセッサはAtomの前世代のものとなりますが、インターネットやオフィスツールなどの利用が主であれば極端なフラストレーションを招くスペックではないように思われます。しかし、動画編集などを想定している方にとってはあまりおすすめできません。
タブレット側だけでなく、キーボード側にも金属系素材を採用することで製品としてのデザインクオリティは上がっています。
その反面、タブレット部分のみでは580グラムと少し重いぐらいですが、キーボードも合わせると1049グラムという重さとなり、他タブレットと比較するとだいぶ重く感じられます。とは言っても1キロ強、というレベルのため、一昔前のPCと比較すると別物と言える軽さです。
Officeは付属しないものの、予算を抑えつつ、デザイン的にもそこそこの一台を狙っている、という方にはおススメできるでしょう。また本製品はSIMフリー対応ですが、SIMフリーでなくとも良いと考えている方は「TransBook T100Chi」という型番の製品も出ており、そちらはより薄く質感も高いためおススメできます。
キーボードとの併用で可能性が広がるMicrosoft Surface 3
本記事の最後に取り上げるのはMicrosoft Surface 3です。
Windowsのマシンは総じてAndroidのマシンよりも軽く軽快な動作をしているものが多いかと思いますが、なかでもこのSurface 3は最小構成でもIntelの新型プロセッサAtom x7-Z8700を積むなど、性能を重視した構成で展開しており、高い操作感を誇ります。
フィールの部分でフラストレーションを感じることはなさそうです。
Surface 3の標準装備にはキーボード兼カバーの「タイプカバー」やタッチペンは含まれず別売りとなりますが、Surface 3はキーボードと併用することでタブレットとしてもPCとしても使える、その力を最大限に発揮します。
また、同じく別売りのタッチペンを利用することでクリエイティビティに富んだ作業が可能になるなど、大きな可能性を感じさせられます。
タッチペンの操作感は250 段階超の筆圧検知センサ機能とパームブロックテクノロジと呼ばれる手の平の誤認防止機能を搭載することによりかなり自然な感じに仕上がっています。まだまだ対応のアプリケーションが少ないため利用シーンは限られそうですが、今後の展開に期待したいところです。
本体のデザインや質感はこれまでのSurfaceからさらに磨きがかかりクオリティの高さと高級感を感じさせるものとなっています。
しかしながらタイプカバーは以前のものより高級感は増しているものの、金属系の素材ではないため、チープさは否めません。
ただし、金属系の素材ではないからこそ、300グラム弱という軽さを実現している、という事実もあります。次期Surface 4ではどうなっていくのか、注目されるところです。
性能部分やデザイン、そして重さなど全体的にバランスが良い上にOffice Home & Business Premium プラス Office 365 も搭載するなどビジネスでの利用には申し分ない1台と言えます。
しかし一方でこの軽いキーボードの打鍵感があまり好きではない、慣れないと言った声もありますので、購入の前に実機を触ってみて判断されたほうがよいかもしれません。
なお、本記事執筆段階ではすでにWindows 10搭載のSurface 3も手に入るようですので、アップグレードの手間を省きたい方にはおススメです。
まとめ
今回、10インチ超のタブレットにフォーカスをして特集しましたが、そのカテゴリではiOS、AndroidよりもWindows製品が多く、2015年以降その傾向はより顕著になってきています。そのためピックアップした製品の数もWindowsが3つ、iOSは1つ、そしてAndroidも2つ、という結果になっています。
最近の量販店の売り場の傾向などにも出てきていますが、Microsoftは「2in1 PC」という分野でこれまでのPCシェアを死守すべく展開をおこなっており、ビジネス向けの製品にWindowsが搭載される傾向が続くと思われます。
これは裏を返してユーザ側からするとコストパフォーマンスの高い製品を手に入れる可能性が高いことを示唆しています。
デジタルツールはリリースラッシュが続く分、値段の振れ幅も大きいため、購入前にはしっかりと調査、研究をしてみると最適な1台に出会える可能性も高まることでしょう。ご自身に最適な1台を手に入れてください。
各機種スペック(概要)比較表
Apple iPad Air 2 |
Samsung Galaxy Tab S |
SONY Xperia Z4 |
Microsoft Surface 3 |
Acer Aspire Switch 10E |
ASUS TransBook T100TAL |
|
---|---|---|---|---|---|---|
OS | iOS | Android | Android | Windows | Windows | Windows |
発売時期 | 2014年10月 | 2014年7月 | 2015年6月 | 2015年6月 | 2015年6月 | 2015年2月 |
ディスプレイ | 9.7 | 10.5 | 10.1 | 10.8 | 10.1 | 10.1 |
解像度 | 2048 × 1536 | 2560 × 1600 | 2560 × 1200 | 1920 × 1280 | 1280 × 800 | 1366 × 768 |
Office対応 | △ | △ | Office for Androidプリインストール | Microsoft Office Home & Business Premium プラス Office 365付属 | Office Home and Business 2013付属 | |
プロセッサ | A8X | Exynos 5 Octa | Snapdragon 810 | Atom x7-Z8700 1.6GHz |
Atom Z3735F 1.33GHz |
Atom Z3735D 1.33GHz |
メモリ | 2GB | 3GB | 3GB | 2GB | 2GB | 2GB |
ストレ-ジ | 16GB | 32G8 | 32GB | 64GB | 64GB | 32GB |
バッテリ駆動時間 | 最大10時間 | 最大12時間 | 最大17時間 | 最大10時間 | 最大12時間 | 最大10.7時間 |
本体重量 | 437g | 465g | 385g | 641g | 630g | 580g |
キ-ボ-ド込み厚さ | 6.1mm キーボードなし |
6.6mm キーボードなし |
6.1mm | 17mm | 23mm | 10.5mm |
最小スペック価格※ | ¥51,389 純正キーボードなし |
¥59,060 純正キーボードなし |
¥68,694 キーボード別売 |
¥74,700 キーボード別売 |
¥34,795 キーボード付属 |
¥45,619 キーボード付属 |
各機種スペック(詳細)比較表
Apple iPad Air 2 |
Samsung Galaxy Tab S |
SONY Xperia Z4 |
Microsoft Surface 3 |
Acer Aspire Switch 10E |
ASUS TransBook T100TAL |
|
---|---|---|---|---|---|---|
縦横比 | 3:2 | 8:5 | 16:7.5 | 3:2 | 8:5 | 7:4 |
画素密度(PPI) | 264 | 288 | 280 | 214 | 149 | 155 |
タッチスクリ-ン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.1 | Bluetooth 4.1 | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 |
メインカメラ | 800万画素 | 800万画素 | 810万画素 | 800万画素 | 200万画素 | 500万画素 |
サブカメラ | 120万画素 | 210万画素 | 510万画素 | 350万画素 | 200万画素 | 126万画素 |
USBスロット | 1 LightningUSBのみ |
1 | 1 (MicroUSB) |
2 うち1つはMicroUSB |
1 キーボード側のみ 本体にMicroUSB1つ |
2 うち1つはキーボード側 |
SDカ-ドスロット | × | MicroSD | MicroSD | MicroSD | MicroSD | MicroSD |
ビデオ出力 | Lightning USB経由 別途アダプタ必要 |
MHL (MicroUSB経由) |
MHL (MicroUSB経由) |
Mini DisplayPort | Micro HDMI | Micro HDMI |
純正キ-ボ-ド | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
キ-ボ-ド込み重量 | – | – | 754g | 887g | 1200g | 1049g |
本体サイズ(縦x横) | 240mm x 170mm | 247mm x 177mm | 254mm x 167mm | 267mm x 187mm | 262mm x 180mm | 263mm x 171mm |
※2015年8月19日価格コム上での金額
効果的なタブレット活用方法をご紹介
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- 600社※1を超えるタブレット向けサービス導入から導き出された
導入の「成功パターン」と「失敗パターン」とは?
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