営業効率が上がらない理由とは?営業現場を見直して効率化を図ろう
営業効率を上げるための方法は、SFA(Sales Force Automation)やCRM(Customer Relationship Management)、MA(Marketing Automation)などのツールを活用など、多種多様です。ところが、こうした最新ツールを導入しているにもかかわらず、多くの営業現場で思ったように効率が上がらないといった声も聞かれます。今回は営業の効率が上がらない理由を考えながら、見直すべきポイントや施策を紹介します。
その営業効率の方法は適切?時代や人員に合わせて見直す
「営業支援ツールを導入したのに成果が出ない」と悩んだときに考えることは、その営業効率アップの方法が本当に自社に合っているかということです。安易に新しいシステムやツールを導入したり、今までの社内ノウハウに縛られたりしていては、逆に業績を下げてしまうこともあります。時代が変わるように働き手も変わっていくことを意識して、どうしたら営業効率を上げられるかを考えることが重要です。
営業効率を上げるために見直すべきポイントは以下の3つです。
1.会社の規模や社員の働き方に合わせて、進め方を臨機応変に変える
営業効率を上げる方法はひとつではありません。たとえある会社で成功した営業手法だとしても、会社の規模や顧客の変化、社員の働き方や文化などに合わせて手法や進め方を変えていく必要があります。ひとつの方法にこだわらずに状況をチェックしながら、タイムリーに進め方の変更を検討すべきです。
2.やみくもにツールを導入しても、使いこなせなければ意味がない
SFAやCRMといった営業支援ツールは多数存在しますが、ただ導入すればよいというものではありません。まずは、そのツールを活用する目的や活用方法などを、マネジメントだけでなく現場の営業の双方に理解してもらう必要があります。その目的の達成に向けて、関係者全員がツールを使いこなし、便利さを実感できるように、体制を整えて展開を進めていくとよいでしょう。
3.効率化を目指した結果、逆に仕事が増えることもある
営業支援ツールを導入したときによくある落とし穴は、マネジメント側は使いやすいものの、営業側の手間が増えてしまい、思ったように効率が上がらないことです。ツールで処理能力が上がっても情報の入力が十分でなかったり、粒度が異なることで、思ったような成果が得られないということになりかねません。こうしたことを避けるために運用方法のルール化や、ツールの活用方法などの共有といった施策が重要になります。
3つの施策で営業現場の効率を上げる
ツールを活用して営業効率を上げていくには、以下のような手順で進めていくとよいでしょう。
1.営業現場の意見をしっかりとヒアリングする
営業支援ツールはマネジメントの使いやすさも大切ですが、現場の営業担当者が使いやすいかどうかも重要な視点です。営業担当者がその利便性を感じられれば、自然に使われるようになりますが、すべてのケースでそううまくいくとも限りません。そこで、現場の意見を聞き、営業支援ツールの活用で困っていることはないか、どうすればその課題が解決できそうかをヒアリングします。同じツールを利用していたとしても、現場の声を運用に反映することで、現場に寄り添ったルールづくりが可能になります。
2.マネジメントが業績や問題点を把握しやすいツールを導入する
営業効率化を高めるためには、マネジメントの立場からみても、どのような営業支援ツールを導入すればよいのかを考える必要があります。最も重要なことは、業績のなどのデータを見える化するだけでなく、そのデータの分析結果から次にとるべきアクションを的確に導き出し、その判断に基づき、現場に指示を行うことです。そのためには、グラフィックなどを使って視覚的に表すとともに、現在の問題点を見える化することで、課題が的確に把握できるようになり、解決のための施策を考える力強い手段とすることができます。
3.的確な運用を可能にするための教育体制を整える
営業支援ツールを導入後、ツール活用のための教育体制を整えることも重要です。営業支援ツールは、マネジメント側と営業側の双方が適正な運用をすることで、その効果を発揮します。使い方やルールの周知徹底がなされないまま運用しても、正しいデータが収集できず、またデータ活用の方法が理解されないため、本来の成果を得ることができません。的確な運用を実現するためには、マニュアルの整備や集合研修はもちろん、自習可能なトレーニングコンテンツを準備したり、理解度テストを実施するなど、教育プランを準備し、計画的に実行することが必要です。
営業効率を上げるための3つのツール
業効率を上げるためのツールはさまざまですが、ここでは代表的な3つのツールを紹介します。
SFA:Sales Force Automation
SFAは「Sales Force Automation」の略で、営業支援システムのことです。営業活動の見える化を行い、目標や達成状況を明確にします。また、担当する案件の進捗状況の管理や報告書作成など、社内向けの作業効率アップも実現します。営業担当者それぞれが同じフォーマットで仕事ができるように整える役割もあります。ツールによっては営業担当者同士のつながりを利用して、顧客情報の共有やイレギュラー発生時のフォローを可能にするものもあります。
CRM:Customer Relationship Management
CRMは「Customer Relationship Management」の略で、顧客管理システムのことを指します。SFAが営業担当者を支援することに特化しているのに対して、こちらは顧客の情報管理を行います。企業名、担当者、関連企業などの情報から顧客データベースを作成し、そこにお問い合わせや注文の履歴を参照して情報を追加していきます。集まった情報を基に、顧客ニーズや行動予測を行い、営業担当者間で共有することもできます。そのため、効果的なプレゼンテーションが可能になり、顧客との良好な関係構築や受注を支援します。
MA:Marketing Automation
MAは「Marketing Automation」の略で、営業が行うマーケティング活動を自動化し、作業の軽減を実現します。主にメール配信やユーザーステータスの管理、WEBページのお問い合わせや注文ページの作成、IPトラッキングからユーザーのスコアリングなどが可能です。これにより見込み顧客の判別がしやすくなり、その顧客に対してどのようにアプローチしていけばよいかというシナリオ作成もできます。多くのMAはSFAやCRMとの連携が可能で、システムを組み込む際にはセットで導入されることが多いです。
まとめ
現在は、SalesTech市場の盛り上がりに追随するように、営業効率を上げるためのノウハウやツールが数多く登場しています。本稿では、営業活動の効率化を目的に導入が進むSFA、CRM、MAを例に解説しましたが、セールス・イネーブルメントなどの新しいSalesTechソリューションを選定・活用していくうえでも、同様の視点が求められます。各ツールの特徴を見極めて自社にあったものを導入することはもちろんですが、その後も自社の状況に合わせた運用を行い、成果を最大限にすることが求められます。
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