明星大学 学生インタビュー「学生スマートフォンへの宿題クイズ出題について」

2016/01/28
明星大学人文学部人間社会学科 天野 徹 教授の「統計学の基礎」授業では、学生のスマートフォンを授業や宿題に活用しています。果たして学生にとってスマートフォンでの学習は有意義なのか、今回、天野教授及び、現在「統計学の基礎」を受講中の3名の学生さんにインタビューしました。

スマートフォン学習を始められた経緯

明星大学 人文学部 天野教授写真明星大学 人文学部
教授 天野 徹 氏

「調査データ、統計データ、ビッグデータの分析と考察を通して世の中の変化を正しく把握し、議論と考察を通して状況や変化に応じた人生の再設計ができる人材の育成を目指しています」と天野教授は教育方針を語ります。しかし、最近の学生は、まじめではあるが全体的に受け身で、教員とコミュニケーションをとる学生が少ないそうです。「文系学生には統計学はとっつきにくいのか、質問を募ると『なにを質問してよいかわからない』という回答が寄せられたこともありました」(天野教授)。

そんな折、東京工業大学で学生スマートフォンに宿題を出すことで、学生の積極性を引き出せたという成功事例を知り、同じやり方を取り入れました。「一番最初に満点を取った学生を特定して、問題の解説をお願いできる」という、Handbookの機能はとても魅力的で、これが活用の決め手になりました。 天野教授の授業風景 結果は良好でした。天野教授が作成した簡単な復習クイズをTAにHandbookで配信してもらったところ、多くの学生がゲーム感覚でクイズに取り組むようになりました。じっくりと考えてから解く学生もいれば、正解がわからない状況で何度も正解になるまで解く学生もいます。何度も解くうちに用語が頭に入ってだんだんに理解が進むので、わからずに解くのもそれはそれで意味があるといいます。出題問題は教科書のどこかに正解が記載されている問題ですが「教科書を読むよりゲーム性が高くなり、クリアしたい気持ちが湧くのだろう」と天野教授は語ります。今では学生からの質問も増え、学生とコミュニケーションをとる機会も増えて来ているとのことです。

学生にスマートフォン学習について聞きました

そこで、実際に統計学を受講中の3名の学生さんに、スマートフォンを使った学習がどう感じられているのかインタビューしました。

明星大学 人文学部 中島さん写真
明星大学 人文学部
人間社会学科 3年生
中島さん

学生のスマホ使用率の高いのを逆手にとって授業に利用していくという発想はいいなと思いました。教科書だけだと自分で何度も繰り返し勉強するのは大変ですが、Handbookだと問題が次々出題され正解不正解も自動的に教えてくれ、繰り返し勉強できるので、効率よく勉強できます。 移動中などは、スマートフォンをいじっている時間が多いのですが、その時間の何割かが勉強時間に変わりました。隙間時間を学習時間にあてられるので、時間を有効利用できるようになりました。

明星大学 人文学部 小林さん写真
明星大学 人文学部
人間社会学科 2年生
小林さん

私は普段は図書館で勉強していますが、図書館からアパートに戻っても、楽な姿勢でもう1度見直したりできるので便利です。本格的な勉強は教科書を使って行いますが、リラックスしているときにもう1度見直したりすることができ役立っています。紙を必要としないので勉強開始時の準備の手間がかからないのがよいです。

明星大学 人文学部 原田さん写真
明星大学 人文学部
人間社会学科 1年生
原田さん

授業中、これはこの間Handbookでやった内容だなと記憶が鮮明になっていて、授業の理解度が高まっているのを感じました。勉強が定着している実感があります。

今まで授業の復習には教科書、ノートが必要で、机がないところではできませんでしたが、電車の中などでも復習ができるようになりましたし、姿勢に左右されずに勉強できるので家で寝転びながら勉強することもあります。気持ちを楽にして勉強に取り組めるのでとてもよいです。全体的な勉強時間が増えたと感じます。将来教員になることを目指しているのですが、自分が教員になったときには、このようなしくみを是非取り入れたいと思います。

編集後記

スマートフォンへの宿題配信は学生さんから大変好評でした。確実に勉強時間が増えているようです。学生がスマートフォンを見ている時間の何割かを学習時間にできれば、日本の未来が変わるかもしれません。これを実現できる仕組みなのではとも感じさせる今回の取材でした。取材にご協力いただきました天野教授はじめ学生の皆様にはこの場を借りてご協力のお礼を申し上げます。

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