MOOCが学びの場を変える!?
専門的なことを学ぶためには、相応の学費を払って大学に通わなければならない――これが、従来の「学び」についてのイメージではないでしょうか?
しかし近年では、そのような学びについての常識を覆すような学校が登場しています。それが、「MOOC(大規模公開オンライン講座)」です。
世界の講義が無料で視聴できる
MOOCの代表的なものとしては、スタンフォード大学の教員によって設立された「Coursera(コーセラ)」やMITとハーバード大学による非営利プロジェクトである「edX(エデックス)」などがあります。
参加大学・登録者数ともに最大の規模を誇るのがコーセラです。2013年5月時点で70の大学や機関が講座を開き、世界で360万人以上が学んでいます。エデックスは、コーセラより規模は小さいものの、27大学が参加。そして90万人以上が受講するなど、世界規模の広がりを見せています。
また、この他にもコンピュータサイエンスを専門とする「Udacity (ユダシティ)」など、さまざまなMOOCプラットホームが登場し、多くの人が無料で、しかも自宅にいながら専門的な知識を学ぶ機会を手にしています。
日本では、2013年2月に東京大学がコーセラへの参加を表明し、さらに同年5月には京都大学がエデックスへの参加を決めました。
MOOCにはどんなメリットがあるのか
MOOCの最大のメリットは、入学試験がなく、誰でも無料で受講できることでしょう。たんに動画を見るだけではなく、テストで理解度を確認しながら学習を進めることができるものが中心となっており、修了者は履修証を受け取ることもできます。日本からでも世界のどこからでも、自宅のPCやタブレットから、米国等の名門大学の教育にアクセスできるのです。
教材はいずれも有名大学によって製作されており、従来であれば留学しなければ受講できなかった内容です。
クオリティーの高い授業を無料で受けることが可能になったということは、やる気さえあれば、誰でも高度な知識を身に付けることが可能になったということです。このことは、才能があるにもかかわらず、金銭的な問題で進学を断念していた若者とっても、大きなチャンスとなっているようです。
エデックスを受講し、好成績を残した高校生が大学側から入学のオファーを受ける事例もあります。今後はMOOCから優秀な人材が発掘されることも増えていくのかもしれません。
キャリア形成への活用も期待
質の高い講義を誰でも受講することが可能なMOOCは、キャリア形成の手段としての活用も期待されています。有名大学の講義を優秀な成績で修了することができれば、それが従来の学歴と同様に評価される時代が訪れるかもしれません。
MOOCの授業は英語が中心ですが、英語さえ理解できれば、すぐに受講をスタートすることができます。今後はお金をかけない学びの場として、新たなスタンダードになっていくのではないでしょうか。
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