タブレットで文書管理! モバイルデバイスでオフィスをペーパーレスに

2014/10/21

タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスは、使い方次第で強力なビジネスの武器になることを、すでに多くの人が実感しているのではないでしょうか。では、モバイルデバイスを活用することで、ペーパーレスオフィスが実現可能になることをご存知でしょうか?

今回は、モバイルデバイスを使って、どのようにペーパーレスオフィスを実現するかご紹介します。

ペーパーレスオフィスはなぜ進まない?

flood paper

オフィスのIT化が整備されていく中で、オフィス業務における「ペーパーレス」に取り組む企業が増えています。

しかし、その実情は、まだまだ完全なペーパーレス化とはいかないようです。せっかく文書をデジタル化したにも関わらず、会議や社内ミーティング、プレゼンテーションなど実業務の現場では、「デジタル化した文書を再度紙媒体に戻す」という本末転倒なケースも数多く見受けられます。

その大きな原因のひとつとして、業務プロセスの合理化を進める上でネックとなる、次の2点があげられます。

1.デジタル化した文書データのセキュリティへの不安

文書のデジタル化は、実体の見えやすい紙媒体の管理とは異なり、データ流出や消失への不安がつきまといます。

これまで、パソコン上での文書管理ツールには、

  • ・文書データが安全に保管できる
  • ・文書データの検索が迅速にできる
  • ・文書データへのアクセス制御ができる

の3点が求められていました。実際、契約書、ISO文書、経理関係書類などでは、パソコンの文書管理ツールを使うことによって、業務プロセスの合理化が進められてきました。

ところが、外の現場や外回りの営業先などでは、デジタル化したデータよりも、印刷した文書の方が重宝されている現実があります。それには、大きく分けて2つの理由があります。

重要案件データの入ったパソコンを外に持ち出すことによる「情報流出」の懸念

特に、製造業、建設業、小売業などの現場では、社員がパソコンの前から離れているのが普通です。現場での作業が優先されるため、それは当然のことです。つまり、パソコンそのものの管理に目が行き届かない面があり、そこからの情報流出の可能性を考えると、デジタルデータよりも印刷した文書の方が、リスクマネジメントを行いやすいのです。

パソコンの起動にかかる時間

これは、外回りの営業担当者の多くが感じるデメリットです。顧客の元でパソコンを広げて商談しようとしても、パソコンの起動にかかる数分間が、顧客との間に空白の時間を作り出してしまいます。結果、親密なエンゲージメントを築くことができないまま商談を始めることになる……そう語る営業担当者は、意外と多いものです。それならば、あらかじめ起動させておけばいいと思われるかもしれませんが、バッテリーの持ちやパソコンの安定性など、その手間をかけるのなら、最初から紙の資料を用意しておけばいい、ということになってしまいます。

しかし、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスの普及により、その状況も変わってきました。モバイルデバイスを使用することで、セキュリティを保ちながら、場所を選ばずデジタル化した文書での業務が可能になります。そして、起動の時間も短縮できます。これまで外の現場仕事には不向きと思われていたデジタルデータによる業務活動が、モバイルデバイスの導入により実現可能となるのです。

逆に、重要書類の入ったバッグをどこかに置き忘れたり、文書自体を紛失したり、という印刷した紙文書の方が、セキュリティを考えると危ういということもあります。これらのケースは、どれだけ注意していてもどこの企業でも起こりえることです。

2.デジタル文書ではメモや注釈を自由につけられない

パソコンが普及して、オフィスのペーパーレス化が叫ばれながらも、その実現が遅々として進まなかった理由のひとつに、「デジタル資料ではメモが取れない」という現実がありました。

通常、会議やミーティングの席上では、資料にメモや注釈を入れる必要が出てきます。そのようなとき、これまでパソコンのデジタル資料では、メモや注釈をその場で入れることは難しく、結局、紙へのメモ書きになっていました。

しかし、タブレットやスマートフォンを使うことで、画面上に自由に手書きのメモや図、絵までも書き加えられる、ビジネスユースに向いた専用アプリが多数あります。書き加えられるだけでなく、それをPDF書類として保存、共有できるようにもなっています。

ビジネススピードを加速させるモバイルデバイスでのペーパーレス化

paperless with tablets

モバイルデバイスを使ったペーパーレスオフィスで何が起こるのか、会議を例にとってシミュレーションしてみましょう。

ペーパーレス化以前

準備
出席者全員に配布する資料の作成と印刷。会議直前に急遽変更点が出て、資料を作り直し、差し替える。経費、人員の労力に無駄が生じる。
会議中
配布された資料に出席者が各自メモや、感想、疑問などを書き込む。出席者どうしでの資料の共有はない。
会議終了後
資料をファイリングして保管。ファイルが溜まっていき、過去の資料を参照しようとしても、すぐに探せない状態にしばしば陥る。

ペーパーレス化以後

準備
作成した資料は、サーバー経由で一斉に出席者のモバイルデバイスに送信され、共有される。変更点があった場合、修正した資料を同様に、一斉送信できるため、即時の差し替えに対応できる。
会議中
タブレット画面に直接メモ書きできる。図表、絵なども書き込めるため、誰が見てもわかりやすい資料になる。また、その場で出席者どうし共有することも可能なため、会議が常にクリエイティビティな方向に進んでいく。
会議終了後
各自の資料は、PDF化され、サーバーに保存される。後日、必要なときには、検索で即時に資料を手に入れられる。

こうやってBefore → Afterで比較すると、モバイルデバイスを使ったペーパーレスオフィスが、業務効率の上でも経費削減の面でも、アナログに比べて優位であるのが理解できるのではないでしょうか?

社会のIT化は、ビジネスの世界において、よりスピーディでダイナミックな業務プロセスを求めています。モバイルデバイスによるペーパーレスオフィスの構築は、ビジネス環境が求める要請に合致したものだといえるでしょう。

iPadでペーパーレスを目指す

Apple社のiPadは、ペーパーレスを推進する上で非常に適したデバイスです。そこで、最後に、iPadで役に立つビジネスアプリをご紹介します。いずれのアプリも、低価格で導入でき、ペーパーレスを実現できる機能を備えています。

ドキュメント・スキャナー

iPad、iPhoneで、資料(テキスト、写真、グラフィック)のスキャンができるアプリです。

名刺管理

名刺を管理できるアプリです。

文書メモ

デジタル文書(PDFなど)にメモ書きや注釈を入れられるアプリです。手書き、テキスト両方に対応しています。また、図解、絵なども描け、署名も付けられます。

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