ペーパーレス化の壁を乗り越えるには

2019/08/07

インターネットやクラウドサービスが非常に身近になってきた今も、私たちの周囲に紙(印刷物)はたくさんあります。また現在は機密保持の関係で、机の上に資料を置くことを禁じる職場が増えていると思います。資料をデジタル化した方がいろいろと便利に活用ができ、しかも自分の業務スペースも圧迫しない、セキュリティ面でも有効など、そんな利点を頭で理解していても、取り組みに対してはどうしても億劫(おっくう)になってしまうこともあるのではないでしょうか。

自分自身がペーパーレス化に対応していても、相手が紙の運用メインだと、「印刷したものをください」と要望されたり、デジタルでの閲覧を嫌がられたりすることもあります。

このようにペーパーレス化にメリットを感じて取り組もうと考えても、なかなか進まないことが多いこともあります。この記事では、どうしてペーパーレス化が億劫になるのかを考えつつ、そのハードルを乗り越える術について考察します。

デジタルの画面は、やっぱり紙とは違う

パソコンなどデジタル機器の画面と紙は、情報の表示のさせ方も、扱い方も大きく異なります。

例えばタッチ操作に対応していないノートパソコンだと、まず画面から直接、手書きで資料にメモが書き込めません。またタッチデバイスの画面であっても、スクリーン上での筆記に慣れていないと描きづらさを感じます。また文字入力は、タッチデバイスのソフトキーボードだと、打ちづらさを感じたり、誤変換が起こったりなどします。手書き文字を認識するテキスト入力機能もありますが、これも慣れないと、違和感を覚えるものです。

タブレットやスマホなどタッチデバイスでは、小さい文字や画像の拡大縮小が自由にできるメリットはあります。しかしタッチデバイスの操作は指のジェスチャーを使って行うので、拡大しすぎてしまったり、すっと全体表示に戻せなかったりなど、イライラしてしまうことがあります。画面の端にある小さな虫メガネマークをいちいちクリックするのも面倒です。

またパソコンやタブレット端末だと、本のように、ランダムに手元にとって、パラパラめくって「この辺かな?」と、さらに別の本を手に取ってパラパラめくって……、他の本と見比べて、というような作業を再現するのはとても難しいです。

データをデジタル化するのはとても大変

紙ベースで行っていた手続きなどの作業をデジタル化するには、これまでのプロセスそのものを大きく変えなくてはなりません。過去のデータの扱い方もどうするか考えなければなりません。また職場にパソコンなどの操作に慣れていない人たちがいたら、まずそれに慣れてもらわないといけません。

データの管理方法としては、自社のファイルサーバ内での管理という運用が考えられますが、例えば誰かが資料を編集しているとロックされてしまう、うっかりデータが先祖返りしてしまうなど、面倒な問題が出てきます。また、社外からデータベースにに安全にアクセスできるようにするには、仮想デスクトップを採用するなどシステムや人件費(管理者の配置)に投資しなくてはなりません。クラウドを利用するグループウェアやデータ管理システムを入れようとしてもコストが掛かり、かつ社内ルールもそれに合わせて新たに定めなければなりません。

どんな新しいシステムも同じかと思いますが、稟議を通そうとすれば、「なぜそんなに高価なのか」「社内サーバにデータを置くだけではなぜだめなのか」「セキュリティは本当に大丈夫なのか」と、新しいモノに抵抗する勢力にいろいろ詰め寄られたりするなどもあるでしょう。

では、どうしたらいいか?

ペーパーレス化を億劫にする要因としては、環境やツールに不慣れであること、準備やセキュリティ担保に関係する課題、導入コストの課題などが挙げられます。それを乗り越えるには、まず強い目的意識と推進側のリーダーシップが必要でしょう。

ペーパーレス化を推進するコツの一つはトップダウンであることは間違いないですが、一方で、ボトムアップのアプローチも大切です。

たとえば、ペーパーレス化を支援するツールのトライアル版を使って、紙の会議資料やマニュアルなど、今あるものをスキャンして入れてみる。WordやPDFなどのファイルがあれば、登録して実際にタブレットで見せてみる。そして、その良さや便利さ、ペーパーレス化の意義を全員に実感し、操作を体験してもらうことで、取り組みを進めていくことが大切です。

今や、個人でスマートフォンを持たない人はまれになりました。モバイルデバイスでの操作についても、抵抗感なく受け入れられる人が多くなる一方で、アプリについては、誰もが使いやすいもの、そしてセキュリティ機能が充実して安全に運用できるものを選ぶ「目利き」も必要になりそうです。

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