北九州小倉看護専門学校、
タブレット・スマートフォンを活用したeラーニングで学習効果アップ
「豊かな人間性を育み、保健医療福祉の中で、社会の要請に応え、地域に根ざした専門職業人を育成する」という教育理念のもと、北九州市小倉医師会立の看護専門学校として准看護師・看護師の育成を行っている北九州小倉看護専門学校。同校では2012年から看護師科、准看護師科の学生への学習支援プログラムとして「Handbook」を活用した授業教材や試験対策コンテンツの配布を実施している。学習効率の向上や教材などの印刷コストの削減にも高い効果をもたらしているという。
Point
- 授業ではタブレット、通学・帰宅時はスマートフォンで効率よく学習
- 看護師・准看護師の試験対策や授業評価アンケートに活用
- ペーパーレス化による印刷コスト・廃棄コストの削減や教材の内製化によるコスト削減
iPadやスマートフォンを持っていれば、いつでもどこでも学力向上や試験対策ができると生徒からも評判だ。
スマートフォン・タブレットの普及をきっかけに、新eラーニングシステムを導入
看護師は医療の高度化に伴い、最先端の医療技術への対応が求められており、習得しなければならない専門知識と技術も多岐にわたっている。また、卒業に合わせ准看護師の試験、看護師国家試験に合格することを目指した試験対策も行わなければならず、短時間で効果的に実力を身につける必要がある。同校では学習の効率化を目指して以前よりeラーニングの仕組みを導入していたものの、教材作成の難しさなどの問題もあり課題を抱えていた。
そこで同校では学生の多くが所有しているスマートフォン、タブレットを活用した学習システムに着目し、新たにシステムを選定、富士通エフ・オー・エムより提案された「Handbook」を採用した。
導入決定から立ち上げまで2ヶ月で完了
導入を決定してから運用開始に至るまでのステップも同校では2ヶ月という非常に短期間に実現している。平成24年3月に導入を決定後、iPadの導入、Wi-Fi環境の整備、教員向けの説明会の実施を経て当月よりHandbookでの教材作成がスタートした。翌月4月には学生向けのガイダンス・操作説明会を実施した。
これは導入選定にあたった溝道副学長をはじめとするeラーニング推進チームの推進力に加え、選定理由の一つでもあった既存のPowerPointから簡単に教材作成ができるという点や、クイズ、アンケート作成のしやすさ、サーバーなどの固定設備を必要としないクラウドサービスであるという点も大きく寄与している。
立ち上げまでのプロセス
- 平成24年3月 :Handbookの導入を決定。iPad導入、Wi-fi環境の整備を行う。
- 平成24年3月~ :各課程でeラーニング担当教員による教材作成開始。
- 平成24年4月:学生に対して利用ガイダンスを実施。同校オリジナルマニュアルを作成。
- 平成24年4月:「保健医療情報科学」の授業で学生に対する操作説明を実施。
- 平成24年4月:運用開始。以降、授業や自宅学習に活用中。
学生の学習に対する取り組みが変化
導入から2年が経過し、取材時点で(平成26年6月)改めて導入の効果をヒヤリングしたところ、同校のeラーニング推進チームは次のような導入効果があると語った。
- ■学生の持ち歩くスマートフォンで授業の予習復習や力だめしクイズ(看護師国家試験の過去問題)ができるようになり学習に対して積極的な取り組みが見られるようになった。
- ■授業の際にプロジェクターで投影していた画像資料が手元のiPadやスマートフォンで確認できるようになったため、医療分野には欠かせない高精細な画像を拡大して確認できることにより理解度が深まった。
- ■教材としてPDFファイルの他、動画、画像、PowerPoint、Word、Excel等、様々なファイルを取り扱えるため、教材の内製化が可能になり外注費用を削減することができた。
- ■学生の「ケーススタディ(症例発表)」の資料など大量の印刷が必要だった資料がHandbookに取り込んで発表することでペーパーレス化を実現。大幅なコスト削減に繋がった。
また、導入当時と比べ、現在では学生のスマートフォン所持率も大幅に向上し、学習スタイルも変化しているという。「導入当初は従来型携帯電話を所有する学生も多かったのですが、現在ではほとんどの学生がスマートフォンを所有しているため、学生のeラーニングに対する期待も高まっている事を感じています。
授業で利用した資料などを『Handbookにアップしてください』とよく依頼をもらいます」と同校eラーニグ推進チームの権藤氏は語る。同校ではこの成功を受け今後タブレットを活用したeラーニングの仕組みを他分野に応用できないか、検討を続けているという。
本事例紹介のPDFダウンロードはこちらからどうぞ。
副学校長
溝道 裕子(みぞみち ゆうこ)(中央)
北九州小倉看護専門学校
教務主任
酒井 美由紀(さかい みゆき)(左)
北九州小倉看護専門学校
主任心得
権藤 英生(ごんどう ひでお)(右)
北九州小倉看護専門学校 | |
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所在地: | 〒802-0076 北九州市小倉北区中島1-19-17 小倉医師館内 |
会社概要: | 大正10年に小倉産婆看護婦養成所として設立。現在は、北九州市小倉医師会立の専門学校として、准看護師科168名、看護師科80名、2課程計248名の育成を行っている。 |
職員数 | 約20名 |
導入時期: | 2012年4月 |
U R L: | http://kokura-kango.com/ |
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