賢明学院、全高校生のタブレットに授業解説動画を配信し復習を促進
授業後にタブレット・スマートフォンで動画を視聴、「わかりやすい」と高い評価
賢明学院中学高等学校では、「ICT活用」を教育の柱のひとつに掲げている。その活用の核となっているのがHandbookだ。
Handbookでの動画配信により、生徒が携帯する各種スマートフォンやタブレットから手軽に動画が視聴できるようになった。今では1日に500名以上が視聴する日がある程Handbookは授業の復習に活用されている。
Point
- かつて高機能な授業支援システムで動画配信を検討したが、操作が難解で利用が見込めなかった
- 動画活用促進のため、生徒の各種スマートフォン、タブレットに配信可能なHandbookを採用
- 動画視聴生徒からは「わかりやすい」と高い評価を得て、視聴を強制しなくとも利用者が増大
賢明学院中学高等学校では、21世紀に必要な1)カトリック精神に基づいた全人教育、2)グローバル教育、3)クラブ活動、4)ICT活用・コミュニケーションの4つの教育をバランス良く取り組む「Four Balance Education」を教育の柱に掲げている。
「ICT活用」の課題をHandbookで解決
「Four Balance Education」の柱の一つである「i3(アイキューブ)プロジェクト」と称された「ICT活用」については、以前より様々な先進的な取り組みを実施してきた。
他校に先がけてタブレット利用教育をスタートしたり、また各種教育支援システムを導入し、学習動画や電子教材の活用を実施してきた。
しかし、どれだけICT教育プラットフォームを充実しても、日々の授業内容からかい離した汎用学習動画や教材では、生徒の学習意欲の差が生じ、また、授業やクラブ活動、個々の生徒への対応などの多忙な日々を過ごす現場教員の学習指導内容とのマッチングが難しく、ICT活用コンテンツ利用が進まないという課題を抱いていた。
この状況を打破すべく新たにICT教育推進センター長に就任した歌丸 茂雄氏は、まず教員による教材コンテンツ作成が手軽にできる仕組みを考案した。
具体的には教員が作った学習プリントを特別な方法で印刷し、そこに専用ボールペンで書き込みながら口頭説明するだけで動画が自動生成される仕組みを様々なツールを組み合わせて構築した。
これにより、多忙な教員でも学習プリントを制作する途中過程で学習動画を手軽に作成できるようになった。
さらに、教員が制作した動画の活用促進のため、簡単に生徒のタブレットに動画配信できるツールをいくつか検討。以下の理由からかねてより導入していたHandbookを動画配信ツールとしても採用することとした。
(1) マルチデバイス対応
生徒個人端末として最初はiPadを導入したが更なるICT活用スキル向上に向けて2014年からWindowsタブレットを採用している。学校や自宅ではWindowsタブレット。
隙間時間でも生徒個人のスマートフォンで気軽に学習できるよう、配信ツールのマルチOSサポートは必須条件だった。HandbookはPCや各種スマーフォンに対応しているため、学習機会が向上すると考えた。
(2) 使い方が簡単
生徒の動画視聴性が良く、また教員側も簡単な操作で動画配信できることを高く評価した。
(3) ネット環境でもオフラインでも利用可能
“常に最新のコンテンツをネット環境につないで視聴”、”ネット環境のない場所で視聴” いずれのケースでも適用できることもよかった。
現在、高校数学、物理、英語教科の復習動画を中心に約250個の動画を配信している。今後社会、家庭科、体育などの科目の動画制作も予定しているという。
クラブ活動でも活用の幅が広がり、サッカー部では試合のプレイ映像を配信して選手同士で研究、また受験生に向けて中学入試模擬試験の解説を配信するなど、授業の復習以外の目的でも活用が進んでいる。
各動画はいずれも飽きずに最後まで見られるよう5分以内の長さで作られている。
また、複数教員が制作しているためHandbookのセクション名となる動画ファイル名は、「担当教員名」「教科」「単元」「動画の長さ」が記載されるよう命名規則も決めている。
中には新たな学習動画が完成する毎に職員室前の掲示板に「Handbookに××ページの問題解説アップ」とマグネット板で掲示している教員もいるという。
動画は生徒から「わかりやすい」と評判が良く、また制作した教員にとっても放課後、同じ質問に何度も個別対応しなくてよくなり、より高度な質問にじっくり時間をかけて対応することができるようになった。
今後の展開
今後はアクティブラーニング授業推進のためにもHandbookを利用していく意向だという。
「授業のアクティブラーニング化では、課題を提示し、その解決のディスカッションが一つの重要な取り組みとなりますが、授業内に解答解説を含めると十分なディスカッション時間が取れない場合があります。
そこで、予め学習課題動画を反転学習として提示しておき、解答解説も動画化し授業後でも閲覧できるようにすることで充実した思考時間が確保できると考えています。」と歌丸氏は語る。
また、インターネット下でならどこでも利用できることから、海外留学中の生徒の学習フォローとして学習動画を利用することや、中学生も利用できるようにし、幅広い復習学習コンテンツを配信する予定だという。
Handbookによる同校の課題解決案が続々と歌丸氏の脳裏に浮かぶ。今後の同校のさらなるHandbook活用が期待される。
コラム
賢明学院中学高等学校がWindows 10タブレットを採用した理由賢明学院では、タブレット導入当初、主にコンテンツビューアとしてタブレットを位置づけビューア性に優れたiPadを採用していた。
しかし、数年前より外部のプレゼン大会に参加するようになり、パワーポイントファイルの作成などクリエイティブな機能もタブレットに求められるようになった。
また、大学では必須となるWindows PC利用スキルを高校生のうちに学ばせたいという歌丸氏の思いもあった。
「(1)PC操作スキルを向上できる端末(2)学習教材閲覧ツールとしての端末(3)プレゼン等クリエイティブ作業の端末のいずれも実現できるのはWindowsタブレットだけだと考えました。」(歌丸氏)。
このような理由から賢明学院では2014年、他校に先駆け約250台のWindowsタブレットを一括導入。
「当初はWindowsタブレットを一括採用する学校はほとんどなかったですが、最近ではWindowsタブレットを導入する公立高校が増え、改めて正しい判断をしたのだと感じています」(歌丸氏)。
なお、現在では同校は全高校生がWindowsタブレットを利用しており、さらに全中学生にも導入が予定されている。
Windowsを採用したことで教員にもメリットが生じた。教員が課題配布を行う際、WordやExcelをそのまま送ることができるようになった。
教員が普段使い慣れたWindows端末であることも時間に余裕のない教員が積極的にタブレットを活用するモチベーションとなっている。
さらに、中高生が教科学習の中でWindows10+Microsoft Officeの操作スキルを学べ、大学生や社会人になる前にPC操作スキルを身につけられるメリットも大きいという。
学院ICT教育推進センター センター長
入試広報部 企画部長
情報部 部長 情報科 主任
歌丸 茂雄 氏(うたまる しげお)
学校法人 賢明学院 | |
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所在地: | 〒590-0812 大阪府堺市堺区霞ケ丘町4-3-30 |
会社概要: | 閑静な住宅街に位置する大阪初のカトリックの男女共学校。幼稚園から、小学校、中学高等学校までの一貫教育を実施している。 |
設立: | 1954年10月 |
導入時期: | 2012年12月 |
U R L: | http://kenmei.jp/ |
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Handbookとタブレットを導入し、効果を上げている50件以上の成功事例を導入事例集にまとめました。野村證券様や東京地下鉄様など、多様な大手企業がそれぞれ効果を上げているのには理由があります。様々なシーンでのタブレット活用における課題や、タブレット導入後に得られたメリットを導入担当者の声を交えながらご紹介します。
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